幸村さんが犬になり拾われました


「いやーこの犬かわいいなぁ、拾っちゃおうかな」
「わんわん!」
「お、威勢いいね〜 黒っぽい柴犬みたいだけど…ちょっと失礼。おお、男の子かぁ〜…」
「きゃ、ぎゃんぎゃんぎゃん!!」
「うおっ、ご、ごめんごめん。そうだよね、大事な所まじまじと見られちゃ犬だって嫌だよね…責任取って家族になったげるから、許せよぅ」
「きゅうぅ…」
「ほれ、こん中さ入れ。エコバックで悪いけど」
「わん!」
「あはは、ホント可愛いなぁ」
「わふぅ…」
「え、何いきなり耳垂らしてんだろ… …とりあえず、帰るか」


「まず洗おう」
「わふ?」
「一緒にお風呂入ろうか」
「…!?」
「何だいその目は…ほら、行くよ〜」
「きゃん!きゃうん!!」
「おおうよく暴れるなぁ! いや元気で結構けっこう」
「きゃうーーーーーん!!」


「くそぅ…引っ掛かれて腕やら腹やら、みみず腫れになっちゃったな」
「くぅん……」
「水嫌いだったんだね、無理矢理お風呂入れてごめんね」
「わ、わん。わふ…」
「っはは、本当に言葉が分かってるみたいに返事してくれて…面白いね、君」
「わふっ」
「ふ、ふて腐れるなよ… 今ご飯作ってあげるから」
「わんっ!」
「現金だねぇ」


「ちょっと待っててね」
「わふ?」
「確か…トムさん持ってなかったかな…」
「わ、わん」
「2、3分出掛けるから、ここでおすわりしててね。君は頭がいいから、いい子にしてちゃんと待てるよね?」
「わん!」
「よしよし。じゃ、行ってくる」
「わん!」


「お待たせ〜」
「わん、わんっ!」
「お?ずっとここでおすわりしてたのかい? えらい子だねぇ」
「わふ」
「そんな君にはこれをプレゼント!」
「…くぅん?」
「ワンちゃん用のおトイレだよ〜。いやトムさんならもしやと思ってダメ元で聞いたんだけど、こんなものまで持ってるとはね〜! 持つべきものは物持ち良い金づるだ。リビングの隅に置いとくから、もよおしたらすぐここにするものするんだよ」
「…ぐるる…」
「え、何? 何で怒ってるの? おトイレの形が気に入らなかった? それはトムさんのセンスのアレでね… ってちょっとおトイレどこ持ってくのかな? ああそんな噛まないで引きずらないでっ返す時にトムさんに怒られるから!」

「はぁ…トイレの横にこの子のおトイレも置いたしデザートでも食べるかn…ってアレ、どうしたのそんなに目をキラッキラ輝かせて…」
「きゃんきゃん!」
「なんだなんだ… っへへ、今日のデザートはシュークリームだぜー! …って何だね君は…足に纏わり付いてきおって…歩けないじゃないか」
「きゃん!きゃん!」
「もしかしてこれが気になるのかな?」
「きゃん!」
「よし、じゃあ匂いだけ嗅がせてやろう」
「クンクン… …!!? っきゃんきゃん!きゃんきゃんきゃん!!!!」
「うわぁちょっ、コラ!落ち着け! 興奮するな!! 足に縋るな歩けない!」
「…きゅうん…」
「…なんだその目は… これは私のなの。さっさと君は足から離れて、あっちに行く!」
「きゅうん…」
「うっ…可愛い…」
「きゅうん………」
「…我慢…」
「きゅうぅぅん………………」
「…………、どうする、ア●フル〜 ……分かった、わーーーった。君にも分けてあげるから、まずソファに座ろう」
「きゃうん!!」
「くりっくりの目ん玉に負けた…か、かわいすぎる…」


「寝るよ、おいで」
「ぐふっ」
「何水喉に詰まらせてるの。ほら、おいでおいで」
「わ、わふ…わふ…」
「大丈夫、抱きまくらにするだけだから…」
「きゃうーーーーーーん!!!!」
「あっコラ逃げるな!さっさと私に抱かれろ!」


「あーあったかー…」
「きゅうん…」
「至福タイム…しあわせ…」
「く、くぅん…」
「……すぅ…すぅ…」
「…わふ……」





「……はっ! こ、ここ…は…」
「すぅ…すぅ……」
「…!! は、は、はははは……」
「…ん……?」
「破廉恥ィィーーーーー!!!!!!」
「ぎゃああああああなにこの裸イケメン破廉恥ィーーーーーーーー!!!!!!!!」
「破廉恥ィィイイイーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
「不法侵入破廉恥ィーーーーーーーー!!!!!!!!」



― ― ―
『可愛がってあげて下さい』な札が掛けられた武田の虎若子(犬)と、犬なのに猫可愛がりする一人暮らし女の子さん。
騒がしい人達であった。

11/12/21
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