学園de元親1


「申し訳ないけど、ごめん」

校舎の奥の奥の方、全然使われてませんよってないかにもアレな階段らへんで、いかにもアレな雰囲気を纏った男子に、いかにもアレな感じで、告白と言うものを受けた。名は知らないけど見たことある男子から「好きです付き合って下さい」と。返事は考えてからで云々を言わす間もなく即斬した。心が少し痛んだ気がした。

「だけど一つ聞かせて」

目の前の男子も相当勇気を振り絞って言ってくれたのだろう。そのためか肝心な所が抜けていたのだ。そこすっぽかしちゃダメでしょっていう、私的、告白するに当たり一番大事な所。

「私の何が好きなの?」
「え、ええと、明るい所と、可愛いところと、頭がいいところと…」
「うん、うん…」

差し障り無い回答達にああやっぱりな、なんて意識する内は私に彼氏が出来る日は無いのだろうなと思う。ことさら恋愛関連に冷めているのは自覚がある。華の女子高生だからといってこんなに簡単に青春謳歌などしたくはない。むしろ私は青臭い春というものが嫌いなのだろうかなとか思うのだ。付き合うのなら頼れる年上のおじ様がいい。…あれっ、今思ったが私ってそういう趣味だったのか?

「好きって言ってくれてありがとう。これからは友達として仲良くしてほしい」

…まあ、どちらにしろ私には無理だっての。ゼロからの人との恋愛なんてさ。





「…遅かったな、大の方か?」
「失礼な」

教室に戻るとクラスメートの長曾我部元親が私の後ろの席で踏ん反り返っていた。眼帯をしていない右目でにやりと笑ってる。顔だけはイケメンなくせにムカつく顔しやがってこの。
窓側後ろから2番目の私の席に座って、机の中の筆箱を掛けていた鞄に放り込む。外を覗くとこの寒い中運動部が頑張っていた。何故か軽く溜息が出た。

「なんだ、恋患いか?」
「何でそーなるんだよ… ほら、帰ろ」

椅子をガタリと鳴らして立ち上がると隣の元親も鞄を肩に掛け続く。相変わらずデカいな…

「あんたの無駄に高い背の養分が少しは頭に回れば良かったのにね」
「うるせぇな、お前こそちっさすぎて可愛そうだねーってな」
「小さいのはステータスだろ。てか私そんな小さくないし。元親がデカすぎるだけ」

この前ドアくぐろうとして頭ぶつけてたでしょと笑えば、元親は私の髪をぐしゃぐしゃにしながら笑うんじゃねぇと言った。心なしか笑いを含みながら。馬鹿野郎め、髪は女の命だぞちくしょう。


― ― ―
友達以上恋人未満が大好物なんですちくしょう!
ホントはもうちょい長くしようと思ったんですがこれからバイト行くので切り上げました…バイトいてきます!

11/12/18
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