エレキさんは格好良い気がする2


「フィオさん、貴女の時間を少し私に頂けますか?」
「えっ?…エレキさん、どうしました?」
「うちの愚兄が粗相をしたでしょう。その償いとでもいいましょうか…私と一緒にあの店に入ってくれませんか?」
「あの店って、ブランド店じゃないですか。粗相に償いって、私、訳が…」
「カットマンが貴女の帽子が駄目にしてしまったでしょう? 同じものを今すぐ探すのはおそらく無理でしょうから、せめて替わりになるような物で弁償とさせて頂きたく…」
「み、見てたんですか!? でもいいですよそんな!安物のボロ帽子ですし、風に飛ばしてしまった私が悪」
「その帽子は貴女が随分と大事にしていた物だった。違いますか? …悲しさが表情に出ていましたよ」
「そんなこと…」
「それをカットマンはあのように…帰ったらキツく仕置きしておきますので」
「カット君は善意でやってくれたんです!そういう子だって私、分かってますから! だから!…だから、その… ええと…」
「…貴女が我が家に通うようになってから結構たちますね。ロックやロールやカットマンや…皆、貴女が来ると喜びます。貴女の事が好きなんでしょう。そして貴女もまた、皆に対して好意を持って接してくださるのは有難い事で、私も感謝しています」
「…?」
「カットマンが貴女にああして懐いて甘えては笑う。ロックが貴女を慕い寄り添って笑う。ロールが貴女が大好きだと抱きついて笑う」
「…??? エレキさん?」
「私も貴女に近づきたいと、そう思ったんです」
「エレキさん…が?」

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紳士な感じのエレキさんがかいてみたくてなぁー…

131005
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