道端でバッタリ☆リングさん1


「これなんてどうだ。ラウンドカットのルビーとそれを抱え込む流線型のラインが女性らしさを演出してると思うが」
「り、リング、マン…?」
「久しぶりだな」
「…なんてことだ…こんなところで」
「なるほど、貴女も“女性”だったと言うことか」
「は?」
「お世辞にも綺麗な指とは言えないが… 切り傷に火傷痕、これを見る限り手指のケアも怠っているようだな」
「…あなた、何しに来たんですか? 私を逮捕するんじゃないんですか?」
「…今日は非番だ」
「さいですか…」
「で、一体どの指輪にするんだ?」
「なんなんですかホント。んー普段使いとかしてみようかなとか思ってて…でもこんな荒れまくりの指にはめても指輪がかわいそうだしなぁ…」
「荒れた手指はきちんと手当すれば治るだろう」
「いちいちクリームとか塗るのも面倒だしなぁ…」
「我がナンバーズのブライトなどはカリンカお嬢様の世話を見るのにあたり女性の身だしなみなどにも詳しいようだが、そちらのナンバーズにはそういう輩がいるのか?」
「うーん、あえて言うならジェミニあたりが…でもあの子のセンスはちょっと、私にはついていけないレベルだし… …やっぱりシンプルイズベスト、かな」
「シンプル、か。モチーフも無い方がいいか?」
「そうだね。ただの輪っかでいいよ」
「…宝石も付いていない。文字も入っていない。ただのシルバーリング。ここまでシンプルでいいのか?」
「うん。…あ、ええと、どうせなら…こっちのが」
「ゴールドリング、か」
「かっこいいじゃないですか、ゴールド」
「まあ、貴女が満足して決めたのならそれでいいとは思うが」
「リング…さん、貴方の頭、」
「…頭?」
「頭の、輪っか! それもゴールドでしょう? だから、折角ならとゴールドを選んでみました」
「ほう…」
「ここでばったり出くわしてしまったのも何かの縁ですしね。うん、サイズもいい感じ。…あ、このリングくださーい」
「……」
「ん、ん? ちょっ!」
「お代は私が払おう」
「ちょっと、リングさん!?」
「ここでつけてみてくれないか?」
「いやいやおいっ、リングさんっ」

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リングマンステージの曲を聞きながら散歩していたら浮かび上がってきたネタ。

131005
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