三成さんに仕える騎士様2


殺すと言われた。裏切るのなら殺す、と。馬鹿な話もあったものだ。死んだ私を殺すなどと…生きている頃はあんなに下手だった笑いも、今ではこんなに大きな声を発して行える。何故だろう、心持ちはやけに晴れやかだ。

「恐ろしい君主もいたものだ」

私に刃を向けるこの男はやけに細く、尖り、美しい。月の光を鈍く跳ね、鋭い威圧を放っていた。

「お前の為に、この焔を捧げよう」

持ち主と同じく細長いその剣に指を乗せて、離す。月明かりに照らされ、音も無く溢れる赤い水。指と指を擦り合わせ、血ごと皮膚を焼く。その後に残るは黒い焦げ屑、醜い火傷。

「この世界は私には生き難いな」
「生き易いように変えればいい」
「そういう問題ではないのだが…」
「下らぬ考えに陥る暇があるのなら、家康を滅する為の策の一つや二つ浮かべてみせろ」

鞘に剣を戻し踵を返してしまう男の後ろ姿を見て、そうしてから月を見上げる。“私の世界”と同じような夜空の筈なのに、それはもう全く別の何かに見えている感覚。それでも、それは瞬きの間に消え失せてしまいそうで、

「…何を呆けている。戻る道が分かるというのならそうしていても構わんが」
「ふっ… 戻って来たのか?」
「あまり私を怒らせるな」

今度こそ男は振り返らずに進む。闇に溶けてゆく姿を見失わぬように付けて行くが、あの男はどうにも早足のようだ。見るからにそんな感じはしたが。

「沈むのも、悪くはない」

私は駆け出した。
この心をこれ以上どうしようというのだろうか。生き返りたいなど、あの男に誓った手前そんなことは言わないが、…引き留める声も無し。ならば、





『あなたの海に』

落とされた所で焔は在り続ける。燃えるための意味を与え続けられれば、焔は消えることが出来なくなってしまうのだ。



― ― ―
なんちゃってトリップ。
TOA世界からのトリップです。…TOA話ですが、bsr世界には譜術の大幅なサポートになる音譜帯?が無いから譜術使うのにも生命力燃やさなアカンというネタを盛り込みたくてですね、戦場でラティさんは文字通り命を燃やしてみっちゃんの為に戦うんです。みっちゃんのために命を燃やして戦うんです。大事な事なので二回言いました。
そんなこと言いつつも恋愛感情でとっつく訳はないんですよねこいつら。あと刑部とも仲良くなればいい。むしろこっちが恋愛してくれないかなとk…あれぇ?

ちなみにこれは●束さんのとある曲を聞きながらポチポチしてました。
『心を捨ててもいいくらいにとても美しい人だから、私は何処までも愚かになれる』
穏やかな狂気の歌 …な、なんつーストライク!!!1

11/12/16
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