赤坂みつき、
18歳なあたしは夢をみる。
それは・・・現実なのか・・・そうではないのか。
目の前を信じるのが、いい策だなんて思っている?





Get or.....?



「え!?良太郎が!?」
みつきは今日も!という意気込みでカフェ「ミルクディッパー」の
お手伝いの為にバッグの中にはきちんとお手伝いする為のエプロン
を確認してドアに手をかけた少女に瞳が揺らいだ。
そのお店のカウンターでコーヒーをひいている女性の話を
聞いていたメガネ男とスーツ男も心配した顔をしてしていた。
「えぇ、でもそんなにたいしたことないから。」

検査入院なんて年に3度あるから・・・と流石母親的存在の
良太郎の姉:愛理である。
みつきの表情が慌てたようになり良太郎を見に行ってくる!
とみつきは手にケータイも持って走り出した。
「・・・良太郎もみつきちゃんと長い事いるけど
いつも心配しちゃってもらってるわね。」
愛理の言葉に懐かしい思い出が残る。
みつきは昔から良太郎についていて良太郎よりも
男前な性格で良太郎といつもいっしょだった。
しかし、高校を良太郎は中退し2人は会わない日々が続いていたが
最近はなぜだかみつきと出くわす事が多い。
だからか、みつきは学校が暇な時は必ずこの『ミルクディッパー』
にやってきているのだ。



しかも・・・
「すいません!」
他のお客さんからのオーダーにカウンターにいた
愛理は抜け出してオーダーを取りに行った・・・その時。
カバンを手に取りお客の一人がテーブルから外れ、
その欲望交えた顔をみたもう一人の愛理のお客は着物を纏い
数秒遅れて追跡をし店から出て行った。





*


そのころ、みつきは急いで総合病院へとかけつけていた。
今日スカートじゃなきゃ良かったのかも・・・と
苦笑いしながらも良太郎の部屋へとたどり着いていたが
まだドアを開けていなく息を整えていた。
いつもごめんね・・・と心優しい良太郎の心配な瞳と言葉を
聞きたくないためやっと呼吸が整ったのをいいことに
入っていった。


「あ・・・!良太ろ・・・。」
みつきは病室に入ろうとした時扉から見えたのは
良太郎らしき青年がこの病院担当者全員きているのではないかと
思うぐらいに人が来ていてみつきは何が起きているのか
正直わからなくなっていた。
しかも一人の綺麗なナースさんに摩り下ろし林檎を食べさせて貰っていて
美味しい、と彼が言った時きゃー!と黄色い歓声が混じっていた。

「何か欲しいものがある?」
「欲しいもの?」
うーんと考えている良太郎の声に目の前にいるナース達が
興味津々でみつきもごくりっと良太郎の言葉に色々な意味に興味がある。
「愛・・・かな?」







「良太郎?」
「・・・?あぁ、迎えが来たみたいだから。」
また後でね♪と良太郎(?)は手をひらひらと振り
たくさんいたナースさん達を見事に追っ払った。
良太郎なのに、青いメッシュが入っている・・・いつ付けたのだろうか・・・。
じっとみる良太郎にみつき があぁ!と声をあげて
良太郎をビックリさせた。

「良太郎!・・・心配したよ?」
大丈夫だった?と心配している顔にふっと目の前にいる
良太郎はみつきの手を優しく触れて良太郎の手が重なった。
そんな良太郎に戸惑いながらみつきは良太郎を見る・・・。
「優しいんだね・・・・キミって。」
まるで、熱が冷めていくようだった。



その言葉にみつきは良太郎に握られた手をするりと離した。
目の前をみた・・・・泣いているのを我慢している彼女が・・・そこにいて、
同時に怒っているような顔にも見えた。
「貴方・・・良太郎じゃない。」
「・・・そう、僕は良太郎っていうキミの知っているヤツじゃぁ・・・ないね。」
にっと笑いながらも目の前にいる「彼」はにこっと笑いながら
黒ぶちメガネに手をつけた。
その余裕な笑みにみつきの制御していたものが切れかかった・・・。
「・・・っ!」
パチン、痛くはないが目の前に女性が泣いているのは色々な意味で失敗だ。
しかも今度は泣いているんじゃなくて、何かを決意したような顔に
一瞬だけど、見惚れた気がした。



その後、良太郎の下に姉の愛理のことが好きな
尾崎が来たがお財布だけを受け取った良太郎は病院から
出てみると寒さが一瞬襲った。
しかし目の前にいる少女に寒さすら忘れてしまった。
むっとしていた顔だったが良太郎は近づいていくと
彼女のほうも歩いてきた。



「悪かったよ、君にはちゃんと教えてあげるよ。良太郎・・・のことでしょ?」
にっと笑いながら手には良太郎が持っているはずのない
お財布が手に握られていた。
不安ながらもみつきはその目の前にいる青年の言葉に言葉を飲み込まれた。
だが、彼女にだってプライドがあるのか「結構です!」と
メガネをかけている青年にきつく言うとずんずんっとさっきよりも歩くスペースを
早くした。・・・それが彼、ウラタロスを面白くさせる材料の一つだなんて
彼女ですらも知らないだろう。
「釣ってみたいけど、深く逃げた魚を釣るのには、餌が必要・・・だね。」
楽しみが一つ増えたかも、と深い笑みを零しながらもいつ彼女が釣れるのか、
考えながらも病院を出た。








良太郎が最近へんだった。
さっきの人が良太郎かと思ったが見間違いなのだろうか。
雰囲気が違うことにも驚いたが、人違い?
みつきがそう思った瞬間ドンッと後ろから叩かれたのか
前へと急に進んだ。

「いったぁ・・・・」
なんだったのだろう。
転びはしなかったのは彼女のラッキーだ。
良太郎が不幸体質ならみつきは幸福体質といえる。
高校でもほぼトップの成績であったし、体力もそこそこで平均より上、なのだ。
周りの友達も仲良く、親たちの会社も最近は絶頂期で
不便するところはまずない。
「危なかった・・・。良太郎、大丈夫かな。」
そうなると良太郎の事が気になるみつきは一旦病院に行こうと
もう一度足を運んだ。
その時。
「・・・?なに・・・?このカード。」
バッグにいつのまにか入っていたなにかのカードにみつきは頭を
うねらせた。
ドコのメーカーなのだろう。みつきが見覚えのないカードを
とりあえず手に持ちながら病院へと足を運んだ。
そしてエレベーターに乗って中に入った瞬間。




「・・・なに・・・これ。」
乗ったのは、エレベーターのはずなのに・・・
みつきは目の前の荒野に驚きを隠せなかった。
その荒野を見たと同時に何かがやってきた。
・・・電・・・・・車?
止まったかと思えば 三月 の目の前に綺麗な女性が立っていた。
スラリとした体型に未来人が着ているような白いぴっちりとした
ミニスカに身体のラインに沿った服に度肝を抜かされた。
「は〜い!パスを拝見します!」
「パッ・・・パス?」
「そ!・・はい、じゃぁ中に入ってね。」
パスというものをみたのか、女性の高らかで無邪気な声につられ
みつきは中へと入った瞬間だった。



まるで大きな荷物が落ちたかのような音がみつきの耳を直撃した。
中で何かがおきた、瞳を開けた瞬間・・・・
彼女が、良太郎の一つの秘密を知ってしまった・・・
何かを確信してしまった、日。
・・・・今日はラッキーじゃないかも・・・みつきの言葉は
心の中で砕かれたそうだ。







Suzuno Asaka
Dream Novel 2007/8/7



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