「ねぇ、みつきちゃんもミニ四駆やってるんだね!」
「えっうん。」



小春日和。まさに今日はそんな感じだった。
5年生の教室で友達と騒いでいたけど、
彼女は、今日はそんなに乗り気じゃなかった。
席替え時間となってざわざわしていたのを見て先生が
女子だけ最初教室に残り席を決め、その後に男子が決める。
その決める時間の時には廊下で待っている事となった。
つまり、女子が席替えを決めている時(教室在中)は男子は廊下で
待っていなければいけないということだ。

その案に納得した全員はとりあえず女子から先に決める事にした。


「みつきちゃんは決めないの?」
「うん。別に誰とでも良いし・・・」
ショートカットで髪の毛が金髪の女子:みつきは友人の言葉に
答えると男子と同じように廊下で待っているようにした。
友達は「折角だし」というのだが、みつきは笑いながら
「いいから、あたしの席どこでもいいから。」と無理矢理女子に押し付けた。

烈はにっこりと笑いながらちょっと不機嫌で1人で待っている
みつきを呼んでみた。
みつきの独特な青い瞳に烈の顔が映る・・・。
「ねぇ、みつきちゃんもミニ四駆持ってるんだね。」
「・・・ぇ、うん。」
烈のうれしそうな言葉にみつきは驚いていた。
ぽかんとした顔になっているのだろう…。
しかし、みつきは顔を無表情ながらな顔に戻った。
「なんで、持ってるって知ってるの?」
ぽつりとみつきは言うと烈は廊下の近くにある窓の方へと指を指した。
烈が指差した方向は校舎裏でありよく男子が
ミニ四駆を走らせているコースでもある。



「放課後、豪とよく遊んでるって聞いたから。」
「・・・豪って、マグナム持ってる子?」
「うん。あれ僕の弟。」
さらりと笑って言う烈にぼんっと頭の中がスパークしそうな勢いだった。
赤坂は口をぱくぱくとさせながら烈を見た。
「一緒のクラスなのにね、今日一緒に走らない?」
「・・・お断り。」
「なんで?僕も見てみたいんだ。君の走り。」
断ったのに、烈は「ねっ!」と言うものだが、
丁度いい時に女子との交代になった。
「行くぞ星馬!」と男友達に手を握られみつきが見えなくなる。
「あっ後で聞くから!」
返事聞かせてね!!と烈はそう叫びみつきは友達に
烈くんに話し掛けられたの!?と自分よりも嬉しそうに質問をしてきた。

しかし、 みつきは「早退する」と言い出し先に帰ってしまったのだ。





「すっげぇんだぜ みつき!!」
「ふぅん・・・」
夜、結局綾瀬と一緒に走れなく豪の部屋に行き
一緒にミニ四駆の話をしていたらついつい みつきのマシンについて
豪ははきはきと生き生きしている感じで笑って話していた。
「みつきちゃんのマシンってそんなにすごいんだ。」
「そりゃもう!でも結局は俺のマシンが勝つんだけどな!」
あっはっはと嬉しそうに笑う豪に聞いてみてちょっと損した気分。
前から気にはしていたがあまりそういう機会とかがなく・・・
目立つ金髪、アイスブルーの瞳は烈に不思議を与える――――。

「あいつ、レースの時の顔すっごく笑ってる!!」
豪からそういわれなければ、一生話もしなかったんだと思う―――

見てみたい・・・

いつも笑わない彼女が笑っている姿を――――
いつもと違うレースで笑う彼女を。









初めてだった。
びっくりしたの、まさか貴方の弟が豪くんだったなんて。
しかもあたしの外見だけで判断なんて…もう貴方がなくしてしまった。
明日、話して…一緒に走ってもらおうかな…。
「烈…くんか…」
明日からあたしは貴方を避けるのかもしれない…
だって、貴方があたしに話しかけてきた時、どっきんどっきん…
ばっくんばっくんいっていた…。
あの時はからだの調子がおかしかったのよ、うん。

そういえば、皆が烈くんのことを「貴公子」とか「王子様」とか言っていた。
…認めたくないけど、認めてあげる。
ちょっと…ちょっとだけ…かっこいいとか思った。
あぁ、明日絶対顔をあわせられない。





朝、今日も小春日和。
暖かい日差し…教室に入ると席順が変わっている。
そうだった、早退しちゃったから席どこだろう…
ぁ、窓側…。
みつきの席は窓側の席で一番前であった。
「(あったかくって寝ちゃいそうかも…)」
椅子に座りランドセルを机に置き必要なノートと教科書を
机の中にしまっていくと隣の男子が来たのか椅子を引いた音がした。
一体、あたしの隣は誰だろう…。
でも、どうせ話しかけないし…




「みつきちゃん、おはよう。」
「…ぇ。」




笑っている貴方は、とっても反則だよ。
また体の調子がおかしくなっちゃう。

外も中もまさに、[小春日和]。



Suzuno Asaka
Dream Novel 2006,0421



初☆同い年主人公笑
しかも異国人主人公だよ!!!
小学生でこんな子いるかな?
ちょっと違うのは主人公は恋をしているなんて思わなく
烈をみたりしちゃうと心臓にわるいものということなのです。
だから、烈が主人公のことを好きでも結局は主人公はあまりすかない様子。


prev next
bookmark back


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -