「では皆さんメリークリスマス!」
「「「「メリークリスマスー!」」」」
鈴木財閥のクリスマスパーティーはとても賑やかで
同時に芸能人やらも多数していてあたしとコナンくん、蘭と蘭のおじさんも
一緒に参加していた。








クリスマス






「みつき!もう聞いてよもう、蘭ってばね。」
「何々?」
「もう!園子これ以上酔ってどうするのよ!」
パーティーが始まって数時間後、すっかりとちょっと酔っている
園子を見ていて正直ビックリだった。

結構高校生からの付き合いだが、ここまで彼女が酔っ払うのも、と。
やっぱりこのときも蘭と みつき が園子を助け役となっていた。
ゴージャスでとてもパーティーは盛り上がっている最中であり
みつきもその雰囲気に心地よさを残していた。

そのとき、「みつきお姉ちゃん。」と少年の声が
みつきの後ろから聞こえて振り向くとそこにはコナンがいた。
「?どうしたの?」
「ちょっと一緒にトイレまで来て貰っていいかな?
僕おなか痛くなっちゃって。」
「!大変、蘭・・・ちょっとトイレ行ってくる」
「わかった。大丈夫コナン君?」
「うん」


いたたっとおなかを抱えているコナンをみつきはトイレまで付き添う事になった。
勿論、みつきはトイレの外で待ってい時
ふとケータイを手にとって見た。

仕事からのメールもなし、今のところとても順調だということなのだろう、
ほっと一息をついた、
するとケータイから曲が鳴り出していて
サブディスプレイからは『工藤くん』と表示されていた。
みつきの顔がかぁっと真っ赤になりその着信を取ろうとするか迷ったそのとき
カチャンッと下にケータイを落としてしまった。
「あああ!」
「おっと、大丈夫ですか?お嬢さん」
「ええ、ごめんなさい」
若い仮面を被った青年が白いスーツを着ていた。
ケータイが落ちるのを止めてくれたみたいだ。
その男は会場へと行ってしまったが みつき は目の前のケータイの着暦をみると
確かに夢ではなかった、彼からの電話だった。






「お前、何してんだ?折角電話したのによ。」
「新一くん!元気にしてる!?」
「あぁ、今何処いるんだよ。」
新一の声を聞くのは本当に久しぶりで、幼馴染である蘭にだってろくに
電話を寄越さないのだ、みつきはちょっと嬉しそうだった。
それは電話を通じて新一もすぐさまわかってしまう。
電話越しなのに、考えればみつきの笑顔が今にでも思い出せそうなのだから―――――

「今園子の家でパーティー。新一くんも仕事終わったらくればいいのに」
仕事、一応そういう風に言ってはいるみつきだが本当は何か大変な事に彼は
巻き込まれているのではないか、という予想はつけているのだ。
みつきはこれでも名をとどろかせた高校生探偵の一人なのだから。

「でも。仕事じゃしょうがないか。」
「・・・ごめんな」
「へ?」
「いや、・・・じゃ、俺もそろそろ行かなきゃいけねぇからさ」
「・・・わかった。」

まるで恋人の会話のように聞こえるのは気のせいだろうか・・・・。


「じゃ、みつき。メリークリスマス」
「・・・新一くんも・・・メリークリスマス」


ぽちっと、電源を切った。
会話時間は1分ちょいしかなかったのに、もっと長く感じた。
ちょうど切った時にトイレから出てきた少年:コナンが「おまたせ!」と
声を出して みつき に歩み寄ってきた。
「コナンくん大丈夫?」
「うん、ごめんね。待っててくれて」
「大丈夫!気にしないで?」

「・・・みつきお姉ちゃん、なんか嬉しそうだね。」
コナンはにこっとみつきを見て笑った。
そのコナンの笑みにみつきもうん、と嬉しそうな声で答えるのが精一杯で、
コナンもそれ以上は聞かなかった。わかってる・・・。












「あれ?ポケットになにか入ってる。」
園子の家の主催パーティーが終わりみつきは仕事場で使う
マンションの最上階の部屋に帰って着替えていた時服のポケットに
何かが入っていた。
ごそごそ、とソレを取ったそのとき正体をあらわした。
「・・・Befanaからのクリスマスプレゼント?」
みつき はひっそりとした部屋の中でその入っていたものに
言葉を小さく交わした。
【イタリアの魔法使い】をBefanaというのだが、みつきはその魔法使いは
誰か、分ってしまったようだ。






着信一件
【貴女がお出かけだった為ひっそりとBefanaからのプレゼントを
お届けに参りました。良いクリスマスを。怪盗キッド 】
なぜイタリアの魔法使いなのだろうと思いつつも
彼のプレゼントに笑うしかない みつき であった。
久々に聞いた新一くんからの声、そして怪盗キッドからのひっそりと忍び込ませた
プレゼントは、とてもくすぐったい、最高のクリスマスプレゼントなのでありました。






おしまい。


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