ヤエとサスケが天井から脱出して既に数刻たっていた。
サスケは目が回っていて、ヤエ本人は樹木にもたれ掛りながら
先ほどのブンまで息を吸うように・・・というよりも余計な緊張を
逃がすように息をこぼした。
「(さっきは優太郎さんが笑っていたときに逃げられたからいいようなものの・・・)」
優太郎がはははっ、と笑った瞬間、今だ。
と直感が悟ったのか、サスケを抱えて天井から脱出していたのだ。
お陰で、見つからずに脱出できたのだった。

「ヤっ・・・ヤエどの・・・・」
サスケの声がすると思ってヤエは見てみると眉がした下がりになっていて
明らかに「拙者の所為で失敗したんでござるね・・・」とうなだれていた。
「いいのよサスケさん。」
「やっ・・・ヤエどのおおおお!」
うわああ、と泣いて抱きついてきたサスケに笑ってしまって
なんだか今日は不思議な一日だったなー・・・と空を見え下ながら
思ってしまったのだった。











空が暗くなった時には町を照らす提灯が灯され
昼とは又違ったはぐれ町を演出しているかのようだった。
サスケとヤエも当初の目的でもあるゴエモンを尋ねることに考えを移し
手土産を持参して、やっとゴエモンの家の戸までたどり着いたのだ。
「すっかり遅くなっちゃったわね。」
そういいながらも戸に手を伸ばした瞬間その存在がわかったかの様に
戸が勝手に開いたのだ。
「お、お二人さん遅かったな。」
「・・・優太郎さん。」
「優太郎どの!」
扉が開いて目に映ったのはにっと笑っている優太郎がいて
後ろから優太郎の肩に手を置いた男の顔も見えた。
「おっ本当にヤエちゃんとサスケが来たな。」
青い髪の毛に嬉しそうな男の表情、自分たちが尋ねようとした
張本人がそこにいたのだ。
「ホニ!お二人さん遅うなりましたなぁ。」
その次に後ろから(姿は見えないが)明らかエビス丸の口調に
ヤエもサスケもぽかんとしているしかなかったのだ。


「なっ・・・なんで拙者たちが来るってゴエモンどのが
わかってるんでござるか!?」
「あ?あぁ、朝方にサスケとヤエちゃんが俺に会いに来るって
聞いたからよ。昼になってもこないから心配したぜ。」
そのゴエモンの言葉を聴いて、ヤエはそれは優太郎がエビス丸に話したんだろう。
と考えていた。
結局は昼に立ち寄れなく、夜になってしまったのだ。
「ごめんなさいゴエモンさん。」
「いいってことよ。」
笑っていうゴエモンになぜか胸が痛くなってしょうがなかったが
「さてと。」とゴエモンがくるりと後ろを向いた時だ。

「あ、酒きてるぞゴエモン。」
「ゴエモンはん、これでどうでっしゃろ。」
「上出来だ。・・・さて、飯でも食おうぜ。」




サスケとヤエと話していたゴエモンだがその二人の声と
目の前にある酒に美味しそうな料理に目をキラキラとさせていて・・・
「ほら、ヤエちゃんも!サスケはジュースにするか?」
「!優太郎どの!どういうことでござるか!?」
あ、ジュースよりももっと科学的なのがいいか?と笑いながら
言う優太郎・・・ふと、ヤエにも声をかけた。
小さなおちょこには清酒の酒がはいっていてそれをヤエに渡したときだった。




「あ、埃ついてるぞ。」



ほらココにさ。
手が伸びた先は、肩に乗っていた灰色のホコリ。


そういった瞬間ビックリしてしまってヤエはぎくりと表情が硬くなったのが
本人が一番よくわかっていた。
優太郎は簡単にホコリを払ってくれたのだが、やっぱり気づかれているんじゃないのか?
と気持ちがまたもやもやが胸にたまっていくのであった。
・・・だが
「(あんらま。ちょっとホコリの事言い過ぎたかな・・・)」
優太郎本人はヤエの表情をみてしまったと、自分が先ほど言った言葉に
後悔しながらも清酒を飲み干し、箸でつまみをとって口に放り込んだ。





どこまで知ったかなんてわからないけれど
でも、白い鼠が持った疑惑は晴れることがあるのだろうか。


「優太郎さん、わかっているならそういえばいいんじゃないですかあ!!」
「うわっヤエちゃんが暴走してるぜ!」
ってか優太郎、お前ヤエちゃんにあれほど酒をあんまり勧めんなって
いってじゃねぇか!と半分怒り気味のゴエモンをよそに
ゴエモンの近くでくねくねと誘っているポーズをとっているエビス丸に
子供扱いされて清酒を飲んだサスケが電池がなくなったかのように
ぴたりとも動かなくなってしまったとさ。









勝手に終わります。








おまけ。




「あー、結局2人で飲むことになったじゃねえか。」
「優太郎・・・半分お前の責任だぜ・・・」
「・・・とりあえずもう一杯どうよ。」
「受けてたつぜ。」




2010 03

とりあえずゴエモンさんは酒はつよそう。
優太郎さんは飲んでも飲まれない人だと思います。


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