善法寺伊作(高校3年生)×主人公(社会人)
*2つ年上の主人公、元伊作と同じ高校に所属していた。
*伊作のみ室町時代の記憶アリ。主人公は室町時代はプロくノ一。
*主人公は恋愛不運体質なのか会社に入ってから2回とも付きあっては
降られていた、ちなみに2人とも年上。経緯からしてモテない事はない。
性格は小説の通り(笑)



バレンタインといえば恋人同士というよりも
私は社交辞令としかいいようがないと思う。だからバレンタインなんてキライ。
会社で愛想ふりまかせている感じがするからだ。

実は、去年の会社の先輩とはお付き合いもしていたが私は会社の人間と
現在はお付き合いなんてしていない。
「・・・・手伝いが必要ね。」

インターネットでとりあえず適当にと頼んだチョコレイトが
やってきて、私は彼を呼び出すことにした。





「というわけで伊作。一緒にこれを包んでね。」
「・・・これって・・・」
「そうそう。バレンタインデーの大量仕分票。」
みつきの部屋に呼び出された高校生でもある善法寺伊作は制服の
ままやってきた。
伊作は高校生だし、本当は早くみつきと会いたいのもわかるが
彼女自体が既に学生ではなく社会人であるため大体夜に
会うことになっていた。今日は夜と言っても7時すぎであり
珍しく会社を定時で帰ってきたようだ。

・・・雪は降っていないのだがこの寒さには正直堪える。
しかし一歩彼女のアパートの部屋に招き入れられれば暖房は付いているし
着ていたコートを脱いでも寒くはない。
ハンガーにコートをかけて貰い伊作が目にした物はダンボールの箱2つ。
一つは開いているがパンパンに詰められているチョコレイトに驚きを
隠せなく口が開いた状態になっているのであった。

「みつきさん。これ。」
キッチンに足を運ぼうとしたみつきに声をかけると彼女はそのまま
無視をしてカップを二つ手に取ると用意していたのだろう・・・
湯気が立つほど熱そうなコーヒーをいれていた。

「はい。」
「あ、ありがとう・・・ございます。」
緑色のマグカップを受け取り、みつきがスタスタと歩くと
テーブルの方面へと向かい伊作も付いていく・・・
そして座るとまた伊作も座った。
みつきの眉間の皺は多く、ちょっと声をかけるのに伊作は勇気がいるだろう。
しかし、どうしても聞きたかった・・・それに負けてしまったのだ。
「こんなに沢山会社の人に渡すんですか?」
「そう、一応先輩や女性たち・上司分ね。」

最近は自分用チョコや友達と交換する友チョコがはやっているときくが
それ以上に社会にはいればこんなにも上げたりお返ししたりするのか・・・
とまさかの彼女の手伝いで伊作は唾を飲み込む。

ダンボールから様々な形・色で包まれているチョコレイトを
だすと彼女の手にあるリスト表を見せられた。
ざっと50人くらいはいるのだろう。
課別・年齢も書かれていて彼女のそういう真面目さは昔から
変わっていないんだなーと思い知らされる。
「一応渋めの感じはこっちとこっち。付箋で名前貼って行くから
伊作はその袋に詰めていってくれない?」
「わかった。」
コーヒーに一度口を付け飲んだ伊作は彼女の言った言葉をきいて
淡々とこなしていく。
ここだけは流石に不運ではなかったのだ・・・そう、ここまでは。





「あーあ。だからバレンタインって大嫌い。」
みつきさんの・・・小さくぽつりと呟く言葉を聞くまでは。









バレンタイン当日、流石に学校でもそういうイベント物が
あるといって生徒達(特に女子)の方が楽しそうな表情を浮かべ
手提げ袋には沢山のチョコレイトが入っている・・・
そんなハッピーな感覚とは無縁という顔でクラスに入っていく
伊作をみたのは、同じクラスメイトでもある留三郎であった。

「どうしたんだ伊作。まるでこの世が終った。みたいな顔してるぞ?」
「・・・あぁ、留三郎。僕はもうバレンタインなんてキライ・・・むしろバレンタインデーを
国民的行事にする日本自体間違ってるって思わない!?。」
「お前な・・・そんなこというなよ。机の上みてみろ。」
留三郎が呆れた声でいうものだから自分の机をみてみると
もっさりとした「山」が出来ていた・・・色とりどりの包装紙に包まれたお菓子達。
可愛らしい装飾ものから大人っぽいものまであって個々の性格がよくでている
感じがあって去年までは恥ずかしながらも伊作は嬉しそうな顔をしていたのだ。
だが、今回は嬉しいという笑みなんてなく、ただただ本当に本命からのプレゼントが
ないだけで、こんなにも変わることなのだろう。


「なんだ、あのみつきさんからは貰わなかったのか?」
「・・・これ以上言ったら僕立ち直れなくなるからやめて。」
「そうか。貰えなかったんだな。」
「それ以上言うなよバカ三郎!」
「なっなんでお前がそんなに怒るんだ!腹いせか!?」
珍しく伊作があれているのを見て俺は小さく頭を悩ませた。
みつき先輩、頼みますって・・・・









所変わり、みつきの会社の食堂にて。
みつきはお弁当を持って違う課の親友と待ち合わせていた。
既に親友は来ていてランチが置かれているテーブルにやってきていたが
みつきが片手にもっている紙袋に目を点にさせられたのだ。

「みつき。すごい用意したね。」
「うん。バレンタインデーだからね・・・だけどあの部長。
手作りじゃないと私受け取らない。って言ってたけど一番高いチョコで何とかね。」
視線はお弁当のままだがみつきはせっせかと手を動かしながらも
親友にそう伝えた。
親友はなるほどね、と納得した声をしていた。

「あぁ・・・みつきの事入った当初からお気に入りだったしね。」
「とりあえず他の課も含めてこれで大丈夫。」
「お疲れ様・・・って、確か高校生の彼氏には作った?」
「・・・あぁ。作ってない。」
「・・・それ、意外にショックうけてるかもよ?」
「そうかな。」
「そうだよ。」
男の子は繊細なんだから、という。判らなくもない話だ。
「だけど伊作・・・確か毎年沢山貰ってると思うんだよね。」
「どうしてそんな事知ってるのさ。」
「私が高校3年生のバレンタインデーにね。」


私が高校3年生のバレンタインデーの時、その時よく生徒会室で
聞いていた言葉があった。
それは今思えば変に運命的だったのかもしれないけれど



『ねぇねぇみつき!保健委員会に入ってる善法寺クン可愛くない!?』
『え?・・・誰?』
『やだなー、1年生の男の子だよ。すっごく可愛いの。』
『・・・へぇ。』
まああんたは年上の方が良いに決まってるけど、と彼女は言っていて
暖かな生徒会室の窓から見える1年生のクラス。
生徒会室も1年生の学年も同じ4階で、よく後輩観察に来る子も
多かった。くせっけのある髪の毛、気弱そうとしかあの男の子の第一印象は
残っていなくて正直「どうでもいい存在」だったから・・・

当時のバレンタインデーの事は当然覚えていた。
バレンタインのチョコを沢山貰っている、モテ男だったということに。

「(今思ったらすごい子と付き合ってるんだよな・・・)」
モデルと言うわけでもないけれど優しいし、たまにだが頼れるところはあるし・・・
こんな私なんかとよく付き会えるなーなんておもったりもした。



運命のバレンタイン
(実は前から君の事気になっていたなんて・・・)





「あれ?みつきくんは?」
「あ、赤坂さんなら定時で帰りましたよ。」
「なーんだ。つまらないの。」
「・・・雑渡部長・・・暇あるなら仕事してくださいって。」








「あ!みつきさんからのメールだ!」
「よかったじゃん。」
「(今日会えるんだ!よかった!)」


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