厳格なハートの女王の精神に基づくハーツラビュル寮の生徒になって2年ちょっと。
2年になってから寮長は同じクラスのリドル・ローズハートがなってから
厳しかったがニューフェイスのオンボロ寮の監督生が出現してからすべては変わった。

「おはようローズハート寮長」
「・・・その呼び方はやめてくれ・・・優太郎」
ハーツラビュル寮の談話室で出会った赤髪の幼い顔をみると彼だと気づき声をかけた。
その声に反応してくれたのは嬉しいが返ってきた言葉は少し困惑していた。


「クラスメイトなのにそんな言い方なのかい?」
「悪かったって。いや、寮長の前くらいしっかりしなきゃねって」
ははっと笑ってみせるが座っていた彼は
きょとんとした顔をして幼い顔に不釣り合いな不適な笑みがこぼれていた。
それはまるで女王様の不敵な笑みである。
対して彼の顔は苦虫をつぶしたようなかおになっているではないか。


「それが毎日続いてくれるならいいんだけどね?」
「はは・・・リドル勘弁してくださいよ」
「今日は何でもない日のお茶会を開催するから遅れないように?」
「承知しました」
そいうと空いているソファーのとなりに座った。
朝食まで少しまだ時間があるようだ。


時計を見ても余裕があるのに気がついてそうだ、と優太郎は思い出したのか
はい、とテーブルにおくとリドルは?マークでその優太郎が置いたものを手に取った。
小さな缶であり中を振ってみればサラサラと音がする。重さもあまりない。

「これは?」
「オレの自信作。最近茶葉の配合にこだわってるんだよね」
これはリドルのイメージで作ったんだ。
そういって開けてみればふわりといい匂いがする。高貴な赤いバラの匂い。
その匂いはしつこくない感じで興味が少しわくものである。

「すごい瑞々しいバラの匂いだ」
「摘みたてのバラの匂いだろ?でも味は薔薇の味にほんのりイチゴ味をブレンドしたんだ」
「へえ、面白いじゃないか」
まるでトレイのユニーク魔法を思い出す。
缶をよくよく見てみると[リドルイメージティー」と英語で書かれており
改めて優太郎の顔を見た。

「これは試作品だけどもし飲んで改良してほしい点があったら教えてほしいんだ」
「わかった。あとでいただくよ」
まさかの贈り物にリドルは胸がとても和らいだ。
オーバーブロッドをしてから少しだけ自分の気持ちに余裕を持つことができたからか
久々に楽しいという気持ちがもてた。
…そういえば寮長となってから優太郎とちゃんとお茶会や授業以外で話したのは
何か月ぶりだろう…。一年のころはまだちゃんと顔を合わせていたはずなのに
寮長としての威厳やプレッシャーはとても当時は重たかったのかもしれない。

「優太郎、ありがとう」
「改めていわれると恥ずかしいな・・・」
ぽりぽりと頬を書きながら少しだけ顔が赤くなる優太郎をみてただただリドルも
笑みが深まるだけだった。




高貴な君にプレゼントをあげよう。



2020.0601


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