その3 もしも家康の誕生日にこんなことが起きたら?・1ページ目

朝の冷え込む空気が冬の寒さを感じさせる1月。いよいよ明日は恋人である家康の誕生日。
ワクワクしながら、どうしようかな?こんな事をしようかな?と色々計画を立てていると、友人である佐助くんが部屋に遊びに来る時間になった。
??「姫さん。いる?」
姫「うん、どうぞ」
そう言うと襖がスッと開き、佐助くんが部屋に入って来た。
佐助くんは謙信様に仕えてる忍びなんだけど、一時同盟を結んだから、という理由と、私の友人だからという理由で、流石に敵の忍びだから部屋までの道と、部屋の襖のところに見張り付きっていう条件付きだけど私の部屋に出入りすることが許されていた。
雑談もそこそこに、話は家康の話へと変わった。
佐助「ところで姫さん。明日は家康公の誕生日だよね」
姫「うん、そうだね」
佐助「家康公はいつから休みを取ってるかわかる?」
なんでそんな事を聞くんだろう?と思いつつ、
姫「確か…今日の政務が終わったら休みになるはずだよ?」
と答えると、ズイッと近付いて来て
佐助「それって何時から?」
と、聞いて来た。
姫「なんで?」
佐助「俺から家康公へのプレゼントは時間によっては渡せないから」
姫「なるほど。今のところの予定は午後から政務無いって言ってたかな?」
佐助「それなら安心だ。渡せるかハラハラしてたんだ」
そう言っても佐助くんの表情は変わってないように見えるけれど、そう言ったら「いや、こう見えてハラハラしてたんだ」と言われるのがオチだと思うから言うのはやめた。
姫「ちなみにどんなプレゼントなの?」
佐助「君にも関係する事だから言えない」
姫「私にも?」
一体どんなプレゼントなんだろう…と思っていると、廊下にいる見張りの人らしい声が聞こえて来た。
見張り「家康様!どうかされましたか?」
家康「やる事を終わらせたからここに来ただけだ。入ってもいいでしょ。あと、見張りは俺がいるからもういい」
見張り「はっ」
そう言って足音がどんどん遠くなっていくのと同時に襖を叩き、家康が入って来た。
家康「入るよ」
姫「うん、どうぞ」
佐助「家康公、お邪魔してます」
家康「二人で何の話をしてたわけ?」
佐助「俺から家康公への贈り物が、時間によっては渡すことが出来ない物なので家康公の予定を聞いてました」
家康「ふぅん、そう」
佐助「で、家康公がここに来たってことは政務は終わったって事でいいんですか?」
そう佐助くんが問うと家康は頷いた。
佐助「じゃあ、信長様から許可を頂いてから俺からの贈り物を渡しますね」
姫「え、ちょっと待って?信長様から許可を頂いてからって…」
佐助「流石にこのプレゼントは許可が必要かなって思って。大丈夫。危険なものじゃ無いから」
そう言って佐助くんはグッと親指を立ててるけど、不安要素しかなかった。そして私に少し近付いて耳に手を近付けて
佐助「あ、それと、君からの贈り物も今のうちに持っていた方がいい」
と、コソコソ話をした佐助くん。
一体どういう事?と思ってると家康がぐいっと私を引っ張り、佐助くんから引き離し、
家康「何、俺に言えない話?」
と言った。
すると佐助くんは両手を軽く上げ、降参するポーズをとり、
佐助「違いますけど、今は言えないので後で彼女に聞いてください」
と、すっとぼけてみせた。
姫「え、ちょ、佐助くん!?」
佐助「そう言う事なので、信長様に会いに行きたいんですけど信長様はどこにいますか?」
家康「はぁ…信長様なら広間にいる筈だ。行くんでしょ、佐助。姫も行くよ」
姫「その前に持っていくものあるから先に行っててもらっていいかな?すぐに追いつくから」
家康「…わかった」
そう言って家康と佐助くんは部屋を出た。
そして私は部屋に隠してあった家康の誕生日プレゼントを持って部屋を出た。
この後、家康と2人で出来ないと思っていた事が出来るなんて、この時の私は少しも思ってなかった…ーー

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