どうしたらいいんだろうと君は言う。
頭を抱えて、下を向いて。消えそうな位弱い声で言う。
上手く言葉が見つからないおれはただ君を見ていた。



君は何も言わない。
頭を抱えて、下を向く。君は何も言わない。
俺はよく分からなくなって、泣いた。



速水が泣いた。
声を掛けようとして伸ばした手は振り払われた。
急にぺたりと座り込んでぽろぽろと大粒の涙を溢す。
そんな速水はいままで見たことなかったから、おれはどうしたらいいか分からなくてただ速水を見ていた。
通りすぎていく生徒たちがちらちらとこちらを見ている。
それでも速水は泣くのをやめない。
どうしたんだよ。おれのせい?なあ速水。おれ、何かしちゃったかなあ。
おれはなんだかよく分からなくなって、泣きじゃくる速水を抱きしめた。



浜野くんが抱きしめてくれた。
違う。違うんだ。浜野くんのせいじゃない。
何も悪くなんかない。全部俺の勝手。
だから、離してください。浜野くん。はまのくん。
みんなが見てる。泣くのやめなきゃ。でも止まらない止め方がわからない。
俺おかしくなっちゃったんだ。
浜野くん。はまのくん。はまのくん。
もう戻れない。気付いてしまった。
違う。本当はもうずっと前から分かってた。知らないフリをして、ずっとずっと、心の中にしまっておけると思ってたのに。
ごめんなさい浜野くん。できません。



俺は親友に恋をしてしまった。










おわり
ずっと秘密にしてたのに、何かの拍子に気持ちが溢れちゃったみたいな感じにしたかった。できませんでした。
星野のとこの速水くんはネガティブ過ぎて自分の気持ちに背徳感を抱いてます。



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