アフター・メリー・クリスマス


腹が重い。

『うー…ん…』
目を開けるともう朝だった。
重いと感じた腹の上では、俺を枕代わりに咲山が爆睡している。

『咲山さん、咲山さん』
『……………うう…』
『なんで俺の上に寝てんの』
『………しらん…………』
『知らないのかよ』
もごもご言いながら抱き着いてくる咲山の頭を撫でていると、目の前に白い紙が差し出された。

『…なにこれ』
『メリークリスマス』
『…こ、……え』
『結婚して』
白い紙の正体は、所謂【婚姻届】だった。既に咲山の名前が入っている。
『冗談だろ』
『本気本気。でも冗談』
『どっちだよ…』
『まあそれはしまっとけ。本物はこっち』
目瞑って手出して、と言われその通りにする。
冷たい物が手に落ちてきた。


『…………ゆびわ、ですか』
何の凝った素振りもないただの銀の輪っか。それでも、中学生には高い買い物だろうに。
『貸せ、俺が入れる』
咲山が俺の手を取って輪っかを指にはめていく。
『そこかよ』
『予約っつーことで』
お互いの左手に光る銀色を見て、笑った。



『…さきやま』
『お前も咲山だろうが』
『まだだろ』
『もう慣れとけよ』
『俺らってバカップルかな』
『不動と源田には負けるから大丈夫』
『……なんか恥ずかしくなってきた』
『奇遇だな、俺もだ』



あーあ、バカだなあ。












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