『いっ…』

痛い。痛いよ。
噛んだり、爪立てたりさあ、お前、その癖なんとかなんねえの。
いくら中2だからって、なあ、そんなとこまで厨二にならなくて良くね?あ、いた、痛い。指千切れる。

『…オイ、見えるとこまで噛むなよ』
『見せびらかしてやればいいじゃん』

他人事だと思ってんな。
噛まれた歯形から血が滲む。

『…ほらァ、お前があんな強く噛むから』
『勿体ねえ』

あああ滲みる。痛い痛い。

『まっず』
『ふざけんなお前が勝手に舐めたんだろ超滲みる痛い』
『お前の血がこんな不味いとは思わなかった』
『誰の血も同じだろ味なんか、どうせ鉄みてえな味だろうが』
『お前自体は甘いのにな』

あ、コイツまた噛む気だ。ほらきた。噛まれた肩は骨っぽい音をたてた。

『あ』
『なんだよ』
『噛め』
『なんで』
『いいから』

差し出された小指に牙をむく。
ぷつり。感触がして鉄の味が広がる。

『おえ、まず、鉄くさっ』
『なァ見て、見ろ』

『赤い糸』

『…咲山さんそれロマンチックでもなんでもないよ』
『これで俺とお前は晴れて運命の相手同士だ』
『トんでんなあ今日は』
『お前もな』
『噛まれんの割りと好き』
『辺見ィ、お前、ドMだな』


俺に跨がる咲山の首に噛みついてやった。



『そうだよ』



お前が好きなことは俺も好き。








おわり
なにこれ分かりづらい




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