001 =====

 俺は今空き教室にいる。いや、正確には隠れている。
 なぜこうなったかというと、今日が休みだからということが1つ。そしてもう1つの理由、双子が弁当を忘れたということがとても大きい。


「はぁ……電話してもいいかな」


 休みとはいえ、一般生徒の俺が双子に会うのは危ない。だから待ち合わせをしたのだが、双子の弁当は未だに俺の手の中にある。つまり会えていないのだ。
 なぜかというと、会長に見つかりそうになったのがそもそもの原因だ。待ち合わせ場所で、ついてきたらしい鴇矢くんと話していたら会長に見つかったのだ……しかも鴇矢くんだけ。俺が彼を置いて逃げたのは仕方のないことだと思う。

 まったく、俺は弁当を届けにきただけなのに…!


「ここにずっと隠れてるわけにもいかないよな。見つからない見つからない…」


 そう自分に言い聞かせてその教室を出たら、双子とばったり出会った。これは嬉しい偶然…!


「あー、りんご!どこ行ってたんだよ、探してたんだからなッ」
「これさっさと受け取って!俺は会長に見つかる前に帰る」
「え、何?会長うろついてんの?」
「こっちとしても見つかったら面倒だしな。りんご、それ貸して」


 しかし今日はとことんうまくいかない日らしい。後ろから抱きつかれたと思ったらそれは鴇矢くんで、つまりは会長が近くにいるってことで。


「や、ヤバい!」
「あ、ちょッ…りんご!?」


 俺は弁当を持ったまま駆け出した。なんで弁当持ってきちゃったんだ俺!

≪≪≪戻る≫≫≫

(c)家出日和

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -