001 =====
「たまにはジャンクフードもいいだろ?」
そう笑うのは、ハンバーガーを頬張る新だ。
今日は新に連れ出され買い物にやってきた。先程まで本屋やCDショップをうろついていたのだが、さすがにお腹が空いたということで今の状況だ。
普段は自分の作った料理ばかり食べているせいか、久しぶりの味だった。まぁ、たまに食べると新鮮というかおいしい。
「次どこ行くんだ?」
「何かほしいものとかないわけ?連れ回してばっかりで悪いし」
「んー…俺は最後にスーパーに寄ってくれれば」
「それだよそれ!」
「え」
むッとした新の顔が目に入る。俺は何がなんだか分からなくてきょとんとしてしまった。
新はポテトをちまちまとつまみながらぼそぼそと話す。
「りんごさ、最近春原のことばっかりだろ?それが寂しいっていうか、悔しいっていうか」
「……ヤキモチ?」
「ち、ちがッ」
あまり見ることの出来ない新の顔。照れてるのかほんのり顔が赤くなっていて、拗ねたように目を反らす。
……ここは、俺が分かってあげるところだよな。
「新、雑貨屋行こう?俺さ、携帯につけるストラップほしいんだよ」
そう言えば、新は笑ってくれた。
≪≪≪|戻る|≫≫≫
(c)
家出日和