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「たまにはジャンクフードもいいだろ?」


 そう笑うのは、ハンバーガーを頬張る新だ。

 今日は新に連れ出され買い物にやってきた。先程まで本屋やCDショップをうろついていたのだが、さすがにお腹が空いたということで今の状況だ。
 普段は自分の作った料理ばかり食べているせいか、久しぶりの味だった。まぁ、たまに食べると新鮮というかおいしい。


「次どこ行くんだ?」
「何かほしいものとかないわけ?連れ回してばっかりで悪いし」
「んー…俺は最後にスーパーに寄ってくれれば」
「それだよそれ!」
「え」


 むッとした新の顔が目に入る。俺は何がなんだか分からなくてきょとんとしてしまった。
 新はポテトをちまちまとつまみながらぼそぼそと話す。


「りんごさ、最近春原のことばっかりだろ?それが寂しいっていうか、悔しいっていうか」
「……ヤキモチ?」
「ち、ちがッ」


 あまり見ることの出来ない新の顔。照れてるのかほんのり顔が赤くなっていて、拗ねたように目を反らす。
 ……ここは、俺が分かってあげるところだよな。


「新、雑貨屋行こう?俺さ、携帯につけるストラップほしいんだよ」


 そう言えば、新は笑ってくれた。

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(c)家出日和

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