002 =====

 車に乗って2人が出ていくのを見送ると、鶲はへばっていた。


「ほら、かき混ぜないとクリームになりませんよ?」
「無理。駄目。もう疲れた」
「……、鶲って案外体力ないんですね。いいです、分かりました。あとは鶫にやってもらうんで、体力のない鶲は向こうでテレビでも…」
「オレがやる!」
「頑張って下さい」


 鶲の扱いには慣れたものだ。










 スポンジが焼けた頃、ナイスタイミングで鷹人さんと鴇矢くんが帰ってきた。スポンジを冷ましている間に袋の中身をメモと照らし合わせ、確認していく。


「ん?」
「あ、何か買い忘れとかあった?ごめんね」
「いや、違うんです。俺が書き忘れたというか……」


 実際は買い間違えだったのだが、鷹人さんと鴇矢くんにそんなこと面と向かって言えなかった。

 ので、最終手段だ。


「鶲、おつかい頼みます」
「えーッ、これからケーキデコるんだろ!?オレもやりたい!」
「…そのデコレーションに必要なものも買ってきてほしいんです、鶲なら分かるでしょ?」


 本来ならつける予定のなかったデコレーションアイテム、チョコプレートとチョコペンのことを告げると鶲は喜んで行ってくれた。これで買い間違えたものもしっかり手に入る。


「さて、クリーム塗りましょうか」

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(c)家出日和

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