001 =====

 材料は揃った。準備も整った。そして、先輩も出払った。
 これでようやく始めることが出来る。


「今回ばかりは僕の言うこと聞いてもらいますからね。特に鶫と鶲」
「なんでオレらだけ!?」
「前科がありますから」


 俺はそう前置きしたあとで先輩を除く春原4人に指示を出した。

 今日は先輩の誕生日なのだ、鷹人さんが教えてくれた。話を聞くと大々的に祝ったりはしていないようだが、鷹人さんとしてはちゃんとお祝いをしたいらしい。彼だけはプレゼントもあげてるみたいだしね。

 そこで、俺は協力してケーキを作ることを提案した。ケーキなら分担して作ることが出来るし、手順さえ間違わなければすぐ作れる。失敗しやすいスポンジを俺が作り、クリームやフルーツのデコレーション部分を春原さんたちに任せれば何も問題は起きない。

 そう思ってのこの分担だ。
 ちなみに。ケーキとご馳走が食べれると言ったら、協力してくれなさそうな双子も即答してくれたのだった。


「じゃあ、生クリームを作りましょう。誰が泡立てます?」
「はーい!オレがやる!」
「じゃあ鶫、このボールに氷と水を入れてきてもらえます?」


 スポンジを作りながらだから、指示が上手く行き渡らない。暇な人を出すくらいなら動いてもらいたいな。
 あ、そうだ。


「鷹人さんと鴇矢くんには夕飯の買い出しに行ってもらいます。メモはこれ、頼みますよ?」

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(c)家出日和

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