003 =====

「それがいいのか?」
「ひ、鶲…!」
「ちょっと地味すぎじゃない?ほら、隣のとか」
「あ、それよさそう。お買い上げな」
「ええ!?」


 あれよあれよと言う前にに、本当にお買い上げされてしまった。改めてお金持ちなんだと感じる。










「疲れたー、腹減ったー」
「さすがにな」
「だって2人ともお昼すら食べないで回ってたじゃないですか」


 14時も過ぎた頃、ようやくファミレスに入り休憩となった。服屋の他にもゲームセンターや雑貨屋など、いくつか回ったためくたくただ。
 しかし、2人はお腹が空いたと言う割りにデザートしか頼んでいない。もっとがっつり食べるかと思ったのに。


「そんなに見てどしたの?食べたいなら一口やるぜ?ほら、あーん」
「食べません!」
「りんご、そのアイス一口ほしい」
「あ、これですか?どうぞ」
「違くて。もう分かってないな、りんごは」
「何がですか!」


 パフェを一口分とって差し出してくる鶲。そして、アイスをせがむ鶫。なんだか小さな子を相手してる気持ちになった。

 ファミレスで休憩したあとは、もう帰るだけだった。しかし、途中夕飯の買い物に寄ったら結局家に帰ったのは夕方で、俺は休む間もなく夕飯に取りかかることになった。正直、せっかくの休日だったから休みたい気持ちもあったけれど。


「こんな日もあっていいよな」


 ハンガーにかけられた新しい服を見て、俺は自室を出た。

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(c)家出日和

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テーマ「人外ファンタジー」
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