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その日は休日で、たまたま鷹人さんと先輩が留守だった。双子はそれぞれの部屋に引き込もって何かしてるし、鴇矢くんは鴇矢くんでソファの上でお休み中。
そんな3人におやつでも出そうかと思った15時頃。冷蔵庫を開けた俺の目に入ってきたのはケーキの箱と“食べるな!鶫&鶲”の文字だった。
昼に食事を作った時はなかったハズ。というかいつ買いに行ったのだろう?
少し悩んだが、冷蔵庫を開けっ放しにしておくのもアレなので卵と牛乳だけ取り出して閉めた。ホットケーキを作ろうと思ったのだ。
「鴇矢くん、ホットケーキ食べない?」
「ん……あれ、りん…ご?」
「おはよ。もう15時だし、作ってみたんだけど」
「!…ちょっと、待ってて…!」
作り終えて鴇矢くんを起こすと、飛び起きて2階に走り去ってしまった。そして、俺がポカンとしているうちに戻ってきた。双子を引き連れて。
「2人を呼びに行ってくれたの?」
「…りんご、座って?」
「え、え?」
鴇矢くんに座らさられて、でも鴇矢くんも双子も座らない。俺が座ってるわけにいかないだろうと立ち上がるとタイミングよく3人のうちの誰かに押し戻される。
仕方ないので3人の動向を見守ることにしたのだが、鴇矢くんがお湯を沸かしていることくらいしか分からなかった。
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家出日和