001 =====
目覚まし時計の音で目が覚めた。いつもの場所に手を伸ばしてもなかなか届かなくて、時計は鳴りっぱなし。
やっと止めることが出来て、そこで1つの異変に気付く。
「ちょっと!うるさくて起きちゃったじゃな……りんご?」
「あ、鶫……どうしよう、なんか縮んじゃったみたいなんだ」
いつもより広いベッド。ぶかぶかのTシャツ。目線の高い鶫。信じられないけど結論は1つしか出なかった。
俺は縮んでしまったらしい。
「わー!りんごくん可愛い!」
そう言って抱き上げてきたのは鷹人さんだ。鷹人さんってちっこい生き物好きだよね、犬とか猫とか。でも、こうやって簡単に抱き上げられちゃうのは少し複雑かもしれない。
「あ、オレにもオレにも!」
服を引っ張るのは鶲だ。鶫の時も思ったけど、自分が縮むと見慣れた姿もやけに年上に感じる。やはり身長に差があるからか。目線が合わないからか。
でも、中身はいつも通りだよな。鶲は落とされそうだからやだ。俺は必死に鷹人さんにしがみついた。
ちなみに。服は鴇矢くんが幼かった頃のを借りてる。と言っても、ちょうどのサイズは置いてなかったみたいで少しぶかぶかなんだけど。裾とか袖とか折り返してるけど、別に悔しくないからな。
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家出日和