005 =====

 ろくな抵抗も出来ずにボタンが外され、肌が空気にさらされる。人にこうして見られることのないそこは、恥ずかしさで赤く腫れ上がっていた。


「ここ、舐めてほしくてしょうがないみたいだけど?」
「…ッ、そんなことないです!」
「その顔じゃ説得力ないって」


 口に含まれ舌で転がされる。そのたびに体は俺の意思に関係なくビクビクと跳ねた。


「深鶴先輩!も…、嫌ですッ……先輩?」


 涙ながらに懇願すると、いつの間にか舌の動きが止まっていた。胸のあたりに重みも感じる。

 まさか。
 そう思って恐る恐る見てみると、俺の上で突っ伏して眠る先輩の姿があった。


「寝惚けてたとか…」


 何て言うか……そう、萎えた。

 俺は先輩の下から抜け出し服を完全に直してから、転がっていた枕で頭をぶっ叩いた。


「!?…おまッ、どんな起こし方してんだよ!俺はお前の雇い主だろうが!」
「そんなの知りません!昼御飯がいらないならそのまま寝てて下さい!」


 真っ赤になった顔に気づかれただろうか。

 とりあえず。まさか感じてしまったなんて、そんな事実はあり得ないと俺はドアを力いっぱい閉めた。

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(c)家出日和

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