003 =====
とある日曜日。みんな用事があるらしく、深鶴先輩以外は出払ってしまい、家にいるのは俺と先輩の2人きり。しかも、先輩はまだ起きてきてすらいない。「久しぶりの休日くらい寝かせろ」とのことなので、起こさずに放置しているところだ。
でも、さすがにお昼になる。もちろん朝ごはんは食べてないから、そろそろ起こした方がいいだろう。
俺は先に簡単にパスタを作ると階段を上がった。
このあと、俺は起こしに行ったことを後悔することになる。
「先輩?入りますよー」
数回ノックをしてから入ると、先輩はまだベッドの上で寝息をたてていた。寝顔はいつもより幼く見える。でも、美形であることに変わりはなかった。
うらやましさを隠しつつカーテンを開けて光を入れれば、先輩が眩しさに身をよじる。これなら簡単に起こせそうだ。
「先輩、もうお昼ですよ。そろそろ起きて下さい」
「んー…」
「まったく、起きないとお昼ご飯なしにしますからねー…って、わ!?」
それは一瞬で起きた。
先輩が俺の腕を掴んだと思うと、そのままベッドの中に引きずりこんだのだ。
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家出日和