027 =====

「昨夜はどうしてたわけ」


 やっぱりというかなんと言うか。行平の予想通り、双子は休みに入るや否や質問してきた。
 でも、双子も成長した。人目を気にして、お昼休みまで耐えてくれたのだ。まあ、授業中を含めずっとそわそわしていたから周りには心配されまくってたけど。そのおかげで俺は美術室で双子とちゃんとした会話をすることが出来る。


「木崎のところ? 前にも泊まったことあったし」
「りんご、帰ってきてよ! 深鶴のことは何とかするから!」
「ちょっと鶲黙ってよ、落ち着いて話が出来ないだろ」
「オレだってりんごと話したいんだよー!」


 仲がいいんだか悪いんだか。なかなか進まない2人の会話を聞きながら、購買のパンを頬張る。それを見た2人は急に勢いをなくして、同じようにパンを取り出した。


「やっぱり、りんごのご飯が食べたいな」
「僕でなくても、料理を作れる人はたくさんいますよ」
「そうじゃなくて! そうじゃ、なくて……」


 言葉の続かない鶲。でも、何が言いたいのか少し分かる気がした。俺が求めていたものも、きっと同じだった。求めすぎて、壊してしまったけれど。

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