025 =====

 一緒に車に乗っていこうという御堂先輩の申し出を断り、ようやく自分のクラスにたどり着いた。
 距離は春原家から行くのとほとんど変わらないので、昨日までと同じように歩くだけで余裕で間に合った。むしろ、朝の家事仕事がないためかいつもより早いくらいだ。

 教室はいつもと変わらない。昨日の今日だからやや同情の混じった視線もあるけど、虐げられる心配はなさそうだ。


「納得いくように説明してもらうから」


 双子が来てないからと油断していた。
 人の目を掻い潜ってやってきた、行平からの命令に逆らえなかった。命令といっても目がそう言っていた気がするだけなんだけど、とても無視出来るものではなかった。

 御堂先輩といい行平といい、朝から体力を使うことばかりだ。


「そうは言っても、単に春原さんたちと喧嘩して家飛び出して」
「だからって御堂の世話になる必要もないよね」
「先輩をそんな風に言ったら駄目だって!」
「今それ関係ないっしょー」


 行平の忠告を無視してしまったのは事実だから心苦しい。でも、好きでそうなったわけでもないのだ。そう言ってやりたいけど、行平に八つ当たりするようでなんだか気が引けた。

≪≪≪戻る≫≫≫

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -