017 =====

 俺たち4人が見られていた理由が分かり、しかも原因は俺だった。俺が春原家に厄介になっていることを知っている彼らに、話さないわけにはいかない。
 というわけで、再び東雲の部屋に集まってもらった。

 理由を話した時の反応は様々だった。新は心配してくれたけど、青葉は怒りの方が強いみたいだ。東雲に関しては黙ったままだし。やはり迷惑をかけすぎた。


「その、ごめん」
「何がだよ、りんごは被害者だろ」
「でも、」
「でもじゃねーの。新聞部が特殊な集まりだっていうのはオレも知ってるし。むしろ、目をつけられたりんごのこと守ってやる! くらいの気持ちだから」
「あとは、行平がどう動くかだな。あれは非常に厄介だ、火に油を注ぐようなことにならないといいが」


 3人の言葉1つ1つが嬉しかった。突き放してもいいのに、自分から巻き込まれてくれる。うっかり涙が滲みそうになって、なんとか堪えた。こんな時なのに、こんな時だからこそ、友達の存在を大きく感じる。


「ありがとな!」


 頑張れる。そう、思ったのに。


「初めまして、だな」
「えっと」
「私は御堂佐月という。新聞部の部長をしている者だ」
「新聞部、部長…」
「次のターゲットは君だ、木之下りんごくん。今日からよろしく頼む」


 澄んだ笑顔で挨拶をされて、戸惑うしかなかった。俺の想像してた人と全然違うんですけど!

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