016 =====

「新聞部?」


 久しぶりに早く帰ってきた双子と一緒に夕飯の準備をすることになったのでそれとなく聞いてみると、2人とも過剰な反応を見せた。それも、なんだかとても嫌そうな顔だ。何かあったのだろうか。


「知り合いなのか?」
「知り合いっていうか、腐れ縁。新聞部の部長が深鶴と張り合おうとするんだよ」
「そのたびに大差で負かされるっていうのにさー、よくやる」
「へえ、じゃあ幼馴染みみたいなものなんだ」


 どうやら本当に仲がいい? らしい。

 新聞部部長という地位に収まりながらも、ランキング上位常連のイケメンだとか。
 ただ、新聞のネタとなるようなことを集めて回っていることから、変人というレッテルが貼られているみたいだ。その残念なところが好きっていうコアなファンも多いっていうけど、それもどうなんだろう。


「でも、なんで急に新聞部?」
「えっと、今日話題にのぼって、そう言えば知らないなあって」


 笑って誤魔化すではないが、不自然ではなかっただろうか。

 そのまま料理に集中することにした俺は気付かなかった。俺の嘘なんて、2人には通用しないことも。そして、俺がとった不自然な行動から何かを考えていたことも。

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