013 =====

 行平こと行平伊鷺は、学園一といっていいほどのチャラ男である。つまり、風紀とはまったく縁のないヤツだと断言していい。
 生徒のうち半分と関係を持ったことがあるとか、親衛隊の人たちをとっかえひっかえ抱いているとか、これら噂はもはや生徒全員が知っていることでこうなると事実に等しい。

 では、そんな彼がなぜ風紀なんかにいるのか。
 まず、第一に人気が高い。何が人を惹き付けるのか明確には言えないけど、彼には独特の空気というかフェロモンがある。気がする。第二に、単純に仕事は出来るのだ。人気があるだけでは風紀は務まらない。それ相応の力が彼には備わっている。


「俺のこと、覚えてるとは思わなかった」
「ええ、オレそんなに薄情じゃねーよ?」
「だって、たった数週間の付き合いだったし。それに、まさか風紀委員長になるなんて思ってないし」
「オレが1番驚いてるよ」


 俺が彼に詳しい理由、それは単純に行平と面識があるからだ。

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