036 =====

「双子は出ないんだな」


 新に言われて初めて「そう言えば」と思った。
 春原家は基本的に何をさせても優秀だ。双子だって例外じゃない。体育の授業の時もなかなか早かったような気がする……気がするというのは、あんまり真面目にやっていた記憶がないからだ。


「遅いわけじゃねーからな!」
「どうせ来年は走らされるだろうからって自分から辞退したんだよ」


 話を聞いていたらしい鶲と鶫が横からひょっこり顔を出す。

 こうは言っているけど、選抜リレーには出ていないものの、他の競技では大活躍だったはずだ。来年は期待出来るかもしれない。
 まあ、今年もあの人と同じ組ってだけで勝ったも同然なんだけど。


「生徒会からは誰が出るんだっけ?」
「隼臣と、柳と、深鶴と、仁桃さんと……咲良もだったかな? 波留は走るの苦手なんだって」
「ほぼ全員じゃん」


 そうこうしてるうちにリレーはスタートしており、1年生が走り始めた。この選抜リレーは順番が決まっている。必ず1年、2年、3年の順番でバトンが渡るのだ。
 部活の後輩とかがいたら楽しいんだろうけど。少し残念に思いながら見守る。新なんかはテニス部の後輩がいる。楽しそうだけどうらやましくなんてないからな。

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