035 =====

 選抜リレーは1クラスから2人ずつ、選手を選抜して行われる。つまり、2人×2クラス×3学年ってことで、12人が赤青黄の3組で争うのだ。
 確か、我がB組は陸上部の人が出ることになっていたはずだ。同じ赤組であるA組は……


「りんご! こんなところにいたのか!」
「汐見」
「柚流でいいって! それよりもさ、選抜リレー応援しに行こうぜ! 新も、こんなところで突っ立ってないでさ!」
「ちょっと、A組からは誰出るんだよ?」
「なんだ、聞いてないのか」


 引っ張られた先で見えたのは、準備体操をする青葉とかったるそうな東雲だった。
 隣にいた汐見が騒いでいたせいか、青葉がこちらに手を振ってくる。どうせ汐見にだろうと驚いた顔を戻していると視線が合った。仕方なくひらひらと手を振り返してやると、青葉が嬉しそうにした。気がする。


「まさかあの2人がなあ……確かに運動神経はよさそうだけど」
「あ」
「何だよ新」
「東雲がこっち見た、気がする」
「2人とも、凪にも手振ってやれよ! おーい!」


 汐見もぶんぶん手を振ってる。多分気のせいじゃなかったんだ。

 軽く手を振りながら、2年の奥にいるであろう3年には気付かないふりをした。だって選抜だぞ、あの人たちがいるに決まってる。

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