033 =====

 疲れきって戻ると、新がうちわで仰ぎながら迎えてくれた。転入生たちの姿は見えない。次の騎馬戦のために控えているのだろうか。赤組のために頑張ってもらいたいし、応援くらいはしてやろう。


「お疲れ様、結構頑張ったじゃん」
「ありがとー…でもさ、生徒会に関わっちゃったし。しかも2人も」
「それはまあ、今更じゃないか?」


 苦笑する新の言葉に「確かに」と頷くしかなかった。
 生徒会は全部で6人。そのうちの5人と関わってしまってるわけだから、今更気にすることもないのかもしれない。平和に暮らしたいならあまり嬉しくはない事実なのだけど。

 俺も苦笑を溢していると、後ろからポンと肩を叩かれた。


「俺の時は結局見つかんなかったんだよなあ、やるじゃんりんご」
「…え、なんでここに」
「ちょうど授業休みだったし。せっかくだから、弟と後輩の勇姿を見てやろうかと思ってな」


 久しぶりに聞いた声は、不思議なくらい胸に響いた。振り返った先には、不敵な笑みを浮かべたハルさんがいた。
 驚く俺を差し置いて、ハルさんは新に挨拶をしていた。


「…じゃなくて! 本当に、なんでいるんですか!」
「さっき言った通りだよ。あれ、もしかして聞いてないのか?」
「聞いてないって、誰に? 何を?」
「さっき一緒に走ってただろ、波留と。あれ、俺の弟」

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テーマ「人外ファンタジー」
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