014 =====
「なるほどね」
思考のまとまらない俺の話を、鶫は急かすこともなく聞いてくれた。たまに相槌を打ちながらも話を中断させることはなく、俺はぐだぐだと話し続けた。
内容も順番も俺の気持ちもぐちゃぐちゃではあるが、伝えられるだけは伝えた。と思う。
「りんごが絳河大学に進みたいっていうのは、俺ら知ってた」
「え、嘘!?」
「だって分かりやすいし。あのハルとかいう奴の口車にもすぐ乗せられちゃうしさ……まぁ、りんごがさんざん悩んで決めたことなんだし。いいんじゃない?」
あっさりと認められたことに、申し訳ないが驚いてしまった。だって、だって…!
「いい、の?」
「何が」
「ご飯とか、洗濯とか。今だって完璧にやれてないのに、これ以上ってなったら…ッ」
「元々それがおかしいんだよ」
「え」
「同じ学生に家政夫の仕事を課すこと自体、りんごに負担が多すぎる」
鶫はそう言って、今まで色々と考えていただろう言葉を並べた。自立するために考え始めたらしいが、家政夫のあり方にまで考えが至ったらしい。
「りんごがここの家政夫として永久就職するなら話は別だけどね」
「えー…それは勘弁して下さい」
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