039 =====
結局優勝は生徒会の彼に決まり、ミスコンは幕を閉じた。
俺はと言えば、先程目があったことが引っ掛かって仕方なかった。自意識過剰とかではなく、確かにこっちを見たような気がするのだ。
「静かにしろ」
ずるずると考えていると、聞き覚えのある声が響いた。まさに鶴の一声、うるさかった会場は一気に静かになった。みんな見惚れているのかもしれない。
ステージに堂々と立ち振舞うのは、会長だった。
「いつもならここで生徒会が何かするんだがな、今年はそれが出来なくなった」
会長が話している間にステージに目を走らせると、そこには生徒会が勢揃いしていた。俺は名前まで把握していないけど、会長や副会長、深鶴先輩の他にもあと3人いる。その3人には、もちろんミスコン優勝者の彼もいた。
俺ももう少し生徒会に関心を持つべきだろうか。そんな今更なことを考えながら、生徒会の人たちの名前を思い出そうとしている時だった。それまで静かだった体育館内で、突然爆発的な悲鳴が上がったのだ。
「……、なぁ」
「何?」
「あれって、りんごが世話になってる…」
「え」
騒ぎの中心にいたのは、なんと鷹人さんだった。
≪≪≪|戻る|≫≫≫