034 =====

「すみません、待たせてしまって」


 結局、昼時が一段落するまで俺は抜けられず。鷹人さんや鴇矢くんを待たせることになってしまった。お詫びに何かおごろうと思ったのだが、2人に遠慮されてしまったし……とりあえず謝るしかない。


「こっちこそ、忙しいところを抜けてもらったんだ……ごめんね」
「りんご、もっといたかった?」
「え、2人が謝ることじゃないですよ!」


 そんな感じに学園内を歩く。

 鷹人さんは生徒会に用があるらしく、生徒会室に行くついでに見て回るという。鴇矢くんもその付き添いで行くそうだ。まぁ、鴇矢くんもそのうち入ることになるだろうしね。


「変わってないな」
「そうなんですか? まぁ、数年で変わるとは思えませんし」
「となると、このあとはミスコンがあるんだね」
「ありますね」
「ありきたりだけど結構盛り上がるんだよ、あれ」
「へえ」


 たこ焼きを食べながら話していると、くいと腕を引っ張られた。鴇矢くんがある教室を指差してる。


「あれ、美術部の……だよね?」
「そういえば、まだ見てなかったな」
「行こう?」


 美術室には行ったのに、展示は見てきていなかったことに気付き苦笑する。展示は別の教室で行っているからパンフレットがバレることはないハズだけど……ハルさんのことを言ったらきっといらぬ心配をかける。
 たこ焼きを口に放り、俺たちは美術部の展示が並ぶ教室へと足を踏み入れた。

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