031 =====

「お疲れー」
「お、時間通りだな」


 家庭科室では数人がブラウニーを作っていた。メニューの中ではこれが1番簡単に大量生産出来る。もしも足らなくなったら、他は諦めてもらってブラウニーを出すことにしたようだ。
 駿河の話だとわりと売れ行きもいいらしい。


「俺も次の休憩まで手伝うよ」
「そうしてくれると助かるには助かるんだけどー…」
「? …何か都合悪い? つか俺の担当のハズだし」
「いやー…」


 困ったように向こうを指差す駿河。その先をたどっていくと、なんとそこには青葉と東雲がいた。
 おかしいな、ここうちのクラスが使ってるハズなんだけど。つか転入生どうしたんだよ。ぐるぐると思考をめぐらすが答えは出なかった。


「柚流からはちゃんと逃げ切ってるみたいだな」
「え、まぁ……東雲が教えてくれたし。ありがとな」
「えー! 何それちょっと、オレ聞いてないんだけど!」


 青葉が不満そうに間に入る。

 とりあえず駿河の言わんとしてることは分かったので、俺は2人のいる席に近づいた。どうせ、この2人が気になって作業に集中出来ないといったところだろうし。
 この2人。一緒にいるということは仲がいいんだろうか。


「聞いてよりんご! じゃんけんで負けた方が柚流を受け持つって言ったのにこいつってばさー」
「待て、負けたのはお前だろうが! それなのについてきやがって」
「ちょ、やめてよ。オレが嘘つきみたいじゃん」


 仲、いいのか…?

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