026 =====
2日目、今日こそが文化祭本番だ。一般客を入れて楽しむ昼の部に加え、ミスコンや生徒会の出し物がある夜の部もある。盛り上がるのはやっぱり2日目の方らしいし。
「じゃあ、お願いしまーす」
「はいよー、行ってらっしゃい。昼には戻って来いよ」
「分かってるって」
駿河に一言告げてクラスをあとにする。
昨日働きずくめだった俺は、今日2回の休みがあるのだ。鷹人さんと鴇矢くんが来るのは午後だから、俺は新と空き時間を楽しむことにした。
ちなみに。俺は制服にエプロン、新は宣伝も兼ねて衣装を来ている。並ぶと視線が怖いけど、一般客がいるためかいつもよりひどくなかった。
「自分のトコで甘いの作ってるから、何か惣菜っぽいの食べたいなー」
「じゃあ焼き鳥でも買いに行こっか、向こうのクラスのヤツおいしそうだったし」
「お、いいじゃん! …ん? なんだあれ」
パンフレットを見ながら人で歩いていると、何やら人だかりが出来ていた。
中心にいるのは女の子のようだ。
「あー…ミスコンか」
「ミスコン? …ってことはあれ、うちの生徒!?」
「おそらく一般票をもらうためにアピールしてるんだろうな、同じ男とは思えない」
俺たちは気を取り直して焼き鳥を買いに向かった。ミスコンの彼が、俺たちを見てるとも知らずに。
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