025 =====
あのあと、転入生がクラスにやってきて深鶴先輩と会長に絡んで出ていった。転入生は新や双子が見つからなかったからか少し不満そうにしてたけど、会長が引っ張っていった。
逃げておいた俺たちは少し申し訳なくなりながら仕事を続けた。そのかいあって、売り上げはなかなかのものらしい。お菓子関連をまとめてる身としてはやっぱり嬉しい。
「さて、今日はこれで終わりだね。みんなお疲れ様」
公開が終わったあとには明日の準備がある。
俺が今日残った分のブラウニーを確認していると、鶲が抱きつきながら話しかけてきた。
「りんご、見てみて! オレこんなに票入った!」
「え? 票……って?」
「あれ、りんご聞いてないの? ひそかにやってるんだよ、人気投票」
鶫に話を聞くと、注文されたメニューを渡すのと一緒にシールを渡していたらしい。そのシールを出口横にある写真に貼っていくという仕組みだ。
それを理解してから鶲のシールを見てみたが、比べる対象がないから人気なのかはいまいち分からなかった。
「20くらいか? …これって多いの?」
「貼らない人もいるし、多いハズ!」
「俺は30あるけど」
「なんだと鶫!」
ついでに言うと、新も30くらいあった。どうやら鶲の人気はそこそこだったみたいだ。
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