022 =====
「転入生がそばにいないなら話しても大丈夫じゃない?」
「え、でも会長と接触なんかしたらりんごが危ないだろ!」
「馬鹿! 声が大きい!」
裏でわいわい騒いでいると、ポケットに入れていた携帯が振動した。その振動はすぐに収まり、画面には新着メールの文字が浮かぶ。
「!」
「りんご?」
「深鶴先輩からだ…ッ」
メールの画面には先輩の名前があり、その下には簡単な文章が並んでいた。
今俺のクラスにいることや会長が一緒のこと、来ない方が安全だという忠告まで書いてある。短いけど、明らかに俺を心配しての内容だった。
「……深鶴ってわりとりんごに甘いよな」
「うん」
「ええ!? そんなことないよ!」
「あれ、りんご。メール、まだ続きがあるみたいだけど?」
新の指摘に画面を見ると、確かにしばらく改行が続いていた。スクロールしていくと、下には衝撃の一言が。
「え」
メールの続きは「もう少し静かにしねーとバレるぞ。つかもう遅いか(笑)」というもの。
たったそれだけ。でも、布の内側から覗いたら2人と目が合ってしまったんだ。この瞬間、俺は悟った。つまり、バレバレだったのである。
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