017 =====

 カーテンの内側でブラウニーを切りながら青葉に向き合う。


「結構色々あるんだね、全部手作り?」
「そ。買うって言ったからには全部買ってよね」
「でもそれってみんなで作ってるんだろ? りんごが作ったヤツなら買ってもいいんだけどなー」


 無駄話をしながらチラチラと教室を覗くと、転入生はまだ新に引っ付いてる。さらにキョロキョロと見ると、東雲が少し離れたところで転入生を見ていた。見守ってるって感じ。
 しばらくぼんやりと眺めていると、ふと目があった。


「…ッ」
「? …どうかした?」
「なんでもない、ただ…」
「ただ?」
「いや、やっぱりなんでもない!」


 東雲と目が合った瞬間、優しく微笑まれたなんて……そんな勘違いみたいなこと言えるわけがなかった。


「なんかつまんない」
「え?」
「東雲、見てただろ」
「……」
「オレのこともちゃんと見てほしいな、この格好とか」


 気まずくて目をそらしていたが、ふと青葉に目を向ける。一応気づいてはいた。A組の出し物の関係で、青葉はホストの格好をしているのだ。ワックスで髪を整え、メイクで少しキラキラしていて、いつもとは違う色気を放つその格好。胸元は無駄に開いていて、チェーンが光っている。

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