005 =====

 文化祭も迫ってきて、準備にあてる時間が増えてきた。ホームルームや放課後を使って着々と決まっていくのはなんだか楽しい。

 知らない間に決まっていたのだが、俺らがやる喫茶店のコンセプトは“癒し”らしい。だから衣装やメニューは比較的普通だ。A組があんななので、あえて逆をいったんだと俺は思ってる。


「じゃあ、食べ物はドーナツとホットケーキでいい?」
「えー、少なくない?」
「地味だしー…」


 で、俺は先程からメニュー担当の人たちと話し合いをしている。
 裏方は俺のような普通なヤツが多いけど、ホールスタッフからあぶれてしまったのも少なからずいる。つまり、小型犬のような子たちだ。だからなのか、さっきから話が全然進まない。

 普通組ってあんまり前に出ようとしないんだよね、俺を含めて。だから発言が少ない。それに比べて小型犬の皆さんは発言ははっきりする。でも、所詮口だけというヤツなのだ。

 仕方ない、このままじゃ居残りになってしまう。


「あの」
「何、平凡」
「…木之下です。ブラウニーなんてどうですか? 作るの楽だし、一気に作れるし、作り置き出来るし」


 生クリームをしぼったりすれば見映えもよくなるんじゃないかな。

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