029 =====

「そうか、彼らも絳河の生徒だったんだね」


 大学については鷹人さんに聞くのが早い。そう思って部屋にお邪魔してみたら、鷹人さんはあっさり教えてくれた。
 絳河学園付属の大学にはキャンパスが2つある。1つは鷹人さんの通うキャンパス、もう1つがハルさんたちのキャンパスでポストカードに書いてあったところだという。


「確か、実技中心の学科が多いんだよ」
「…そっか」
「? …鴇矢くん」
「だから……実技、だったんだ」


 鴇矢くんの一言で気がついた。
 今日やった春原さんたちとハルさんたちの対決は、すべて実技で行った。その時点では、美術とか体育とかが得意なハルさんたちは、負けるつもりはなかったのだ。

 でも実際は負けているという事実。勝とうと思えば勝てたハズなのに。


「りんごくんは行くの?」
「…え、これにですか?」
「美術に興味があるなら損はないと思うよ? 大学の雰囲気も分かるし、レベルの高い作品だってたくさんある」


 正直なところ、ハルさんの作品を見てもすごかったからとても魅力を感じる。

 でも。


「申し訳ないけど、遠慮しようと思ってます」

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