025 =====

「じゃあ、」
「?」
「じゃあ……俺はここにいていい?」


 最後の問いだった。

 さんざん優しい言葉をもらったハズなのに、不安は拭い去れたハズなのに。俺は春原さんたちからの許可がほしくて仕方なかった。ちゃんとした、俺がそこにいてもいいという印が。


「言わなくても分かれよ」
「分かっても、言ってほしいんです」
「…ったく。俺たちにはお前が必要なんだよ、何度も言わせんな」


 顔が熱くなるのを感じた。自分からその言葉を望んだにもかかわらず、どう反応していいのか分からない。

 とりあえず近くにいた鴇矢くんにギュッと抱きついて、赤くなる顔を隠した。


「さて」
「鷹人さん」
「そろそろ帰ろうか」


 鷹人さんが俺や鴇矢くんの頭を撫でながらニッコリした。

 帰ったらどうしよう。
 まずは、夕飯を作らなきゃ。ちょっと奮発してみるか、それともちょっとした嫌がらせでお好み焼きを作ってみようか。それから絵も描きたい。鴇矢くんに相談しようかな。

 そんなことを考えながら、歩き出した。


「ちょ、おいコラ」
「え」
「スルーするとはどーゆうことだ!」


 振り返ると、そこにはご立腹の秋良さんと呆れたような他3人がいて、こっちを見ていた。

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