019 =====

 どうせ最後だから、残りの2つは1度に行ってしまうらしい。美術で絵を描いている間に、体育の方も済ませてしまうというのだ。


「体育はオレが勝つからな!」
「申し訳ないけど、そうはいかないッス!」


 そう言って前に出たのは冬雪さん。ハルさんたち3人とは幼馴染みだけど1つ年下らしい。そのせいでタメ口と敬語の中間のような話し方で定着したんだとか。

 鶲と冬雪さん。なんだか似てる気がする。人懐っこいところとか、活発なところとか、犬っぽいところとか。
 あ、でも。鶲は中型犬だけど冬雪さんは大型犬だな。ついでに鴇矢くんは小型犬。


「で、美術は俺だけど……そっちからは、君?」
「…うん、そう」


 そしてハルさんの出る美術勝負。順番的に鴇矢くんだとは思ってたけど、正直少しびっくりしてる。鴇矢くん、美術得意なのかな。


「何描くんですか?」
「お題は海、あとは自由なんだって。まぁ、時間制限があるんだけど」


 そう言うとハルさんは立ち上がった。
 そして、俺の頭をくしゃッと撫でる。


「りんごのカタキ、とってきてやるよ」


 どうやら、あのときめきは一時的なものではなかったようだ。

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