016 =====

 いきなり別荘に連れてこられても生活自体はさほど変わらなかった。でも、海が近いこともあって、ここでなきゃ楽しめないこともたくさんあった。
 だから、バーベキューだって結構楽しみにしてたのだ。それなのに。


「おい、なんかあいつ急にやる気出したぞ」
「何か腹立つことでもあったんじゃないッスか?」


 一応春原さんたちに雇われている身としては、あっさり勝つのは申し訳ないと思っていた。わざと負けた方がいいかもとまで考えたくらいだ。正直、彼らが俺に勝てるとは思わないし。
 しかし、あの「食べた」の一言でそれも解決した。

 俺は、勝つ。


「ちょ、なんかりんご目が本気なんだけど! 鶫オマエ何言ったんだよ!」
「知らないよ、普通に会話してただけだし!」


 俺は周りの声をシャットアウトした。

 ちなみに。俺が提案したのは、4〜5人で食べれるように量を多めにしたお好み焼きだ。バリエーションはなくてもトッピングを変えるだけでまた違うし、大勢で食べられるようなメニューは重宝すると思ったのだ。それに、お好み焼きは最悪冷めても食べられる。屋台でもよく見かけるし、定番だろう。

 一方、鶫はオムレツを作った。鶫が作れる唯一の料理が卵料理だから。

≪≪≪戻る≫≫≫

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -