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 なんでこんなことになったのかと問えば、深鶴先輩が有名だったからと答えるしかない。あのあとなぜか勝負に乗った先輩のせいなのだから。いや、もっと言えば、噂になるまでナンパなんかしてることからして悪いのだけど。


「で、お前はどうする?」
「運動は苦手そうだもんな…」
「というか、なんでこんなことになったんですか!」


 勝負は5対5、もちろん春原さんたち対ハルさんたちだ。しかし、ハルさんたちでは人数が足りない。となれば、駆り出されるのは俺になるわけで。
 気づけば拉致られて海の家で作戦会議中だ。

 勝負の内容は全部で5つ。体育、音楽、美術、技術、家庭科で競うらしい。これはらフェアだと言うのだが、何せ話を聞くとハルさんたちはみんな大学生らしいのだ。どこがフェアなんだか。


「あ、さっき家政夫とか言ってたよな?」
「え、はい」
「じゃあお前は家庭科な。確か料理対決だし、楽勝だろ」
「だよなー、あんなお坊っちゃんたちに料理が出来るとは思えないし」


 そんな感じで任されてしまったのだが、春原さんたちが何も考えていないわけがない。不安は募るばかりである。

 勝負まで、あと1時間。それにしてもお腹空いた。

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