007 =====
その4人はなかなかのイケメンさんであった。身長もあるし、染められた髪も似合っている。しかし、だからこそ接点が分からなかった。声をかけられたからには知り合いのハズなのだが。
「どこかでお会いしましたっけ?」
「…は?」
「え? …あの、声をかけてきたってことは知り合いってことじゃ…?」
素直に疑問をぶつければ、すぐさま笑われた。この様子から見て知り合いではないらしい。だとすれば、可能性は1つ。
「ま、まさかナンパ……いたッ」
「なんで男相手にナンパなんだよ! カツアゲだよカツアゲ!」
「ちょ、ハル!? 何大きい声で言うことじゃねぇよ!」
……思考がそちらにしかいかないあたり、俺もあの学園にだいぶ毒されているらしい。そうだよな、男でしかも平凡な俺相手にナンパはないか。
しかし、カツアゲと言う割に怖いとは感じない。手を出してくる気配もないし、4人が話している姿は漫才をしているかのようでむしろ楽しげだ。
「えっと……ハル、さん?」
「あ?」
「申し訳ないけど、他当たった方がいいかも……です」
俺みたいな雇われる身じゃ、大した収穫はない。俺も怖い目にはあいたくないし。
それに、春原さんたちに見つかったら大変なことになる。そう思っての発言だった。
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