002 =====
「じゃんけんで勝った人から好きな部屋を選ぶってことでいい?」
「でもそれだと勝ったからといって同室者は選べないってことだろ」
「あ、そっか」
「この際もうくじでいいよくじで!」
そんな感じでわいわい行われた結果、俺は鴇矢くんと同じ部屋になった。
俺はリビングのソファーでもよかったんだけど、鴇矢くんが許してくれなかった。
「綺麗な部屋ですねー」
それぞれの部屋に入り荷物を置いてから、部屋を見回す。海に面したその部屋は、なんだかホテルみたいな作りだった。ダブルベッドの横にはランプがあるし、ドレッサーみたいなものがある。ベランダからは海が見え、その窓際にはテーブルと椅子も並んでいる。なんだかリゾートに来たみたいだ。
いや、実際別荘だしリゾートって言っても過言じゃないか。
「……りんご」
「ん? 何?」
「よろしく、ね」
ニッコリ笑った鴇矢くんを見て、悪くないかもと思った。
これから春原さんたちと毎日ここで過ごすわけだし、今からうだうだ考えてたってしょうがない。俺はベランダから見える海を眺めながら気持ちを改めた。
そして気がついた。
「あれ、滞在期間ってどのくらいなんだろう…」
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