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 おそらくあの3人は副会長の照れ隠しの言葉を真に受け、今回のことを決意したのだろう。俺を呼び出した時はあんなにあっさり引き下がったのに、好きな人からの言葉はそれさえもひっくり返してしまうんだ。やっぱり恋ってすごい。


「言っただろ? 『んなことしねえ』って」


 自慢げに話す会長は、いつもと違って見えた。そう言えば、同級生と話す会長を見るのはすごく新鮮な気がする。
 会長も、普通に高校生なんだ。


「あ」
「? …何ですか?」
「的場に言っとけ、『統制は助かるが、やりすぎると今回のようなことが起きる。気を付けろ』って」
「…はい!」


 なんだかんだで会長もよく見てる。俺の周りはすごい人ばかりなんだと改めて自覚させられた。

 ちょっと萎縮してしまいそうだ。


「それと、鷹人先輩によろしく」
「僕を黒幕扱いしたことは許してあげないこともないよ。その……お詫びくらいはさせてあげる」


 第一印象からちょっぴりズレた性格に、思わず笑ってしまった。俺様かと思いきやセンスが悪くて少し歪んだ思考をお持ちの会長に、腹黒に見せかけて実はツンデレの副会長。関わりたくないと思っていたのに、憎めなくて困ってしまう。
 副会長には、今度何か差し入れを持ってこよう。

 こうして、今回の一大事は幕を閉じたのであった。

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