028 =====
俺は早速質問をしようとして、いったん口を閉じた。
実は、突然の申し出だったため何も考えていなかったりする。コーヒーを入れながら何から聞こうか考えてはいた。しかし上手くまとまらなかったのだ。
夏目先輩に黒幕は副会長だと聞いた。しかしそれだけだ、詳しいことは何も知らない。
もっと事細かに聞いておけよ。過去の自分に悪態をつくと、俺は真っ直ぐと副会長を見つめて言った。
「俺や杏先輩を襲うよう、親衛隊の方々をそそのかしたのは副会長ですか」
言ってから、少し後悔した。
率直に言い過ぎた。
副会長の横では珍しく会長が驚いている。かなりまずったかもしれない。
「それ、本気で言ってる?」
「まぁ、風紀委員の方にそう聞いてるので」
「ふーん、そう」
気にしていないように見えるし、動揺しているようにも見える。しかし、明らかに何か考えている。
まさか、事実なのだろうか。
「あの、最近親衛隊の人と会話された時のことを聞いても…?」
「え? いや…」
「俺知ってるぜ? 確か……白りんごのことを聞かれてたんだよ、『瀬野様はどう思いますかあ?』って感じで」
「なるほど」
「ねぇ、そろそろ黙って…」
「でな、リュウが何て言ったと思う? 『あんな料理のおいしくないヤツのことなんか知らないんだからな!』だぜ?」
……なんだろう、この感じ。
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